# E220-900T22S(JP) 製品データシート(Firmware ver.1.0 / ver.1.5) - 製品名: 920MHz LoRa省電力ワイヤレスモジュール E220-900T22S(JP) - 対象ファームウェア: ver.1.0 / ver.1.5 - Rev.2.1.2 - 発行元: CLEALINK TECHNOLOGY CO., LTD. - 出典: https://support.dragon-torch.tech/docs/lora/E220_ver.1.5/ > 本ドキュメントはver.1.0/ver.1.2版と大部分が共通です。ver.1.5固有の変更点は「1.5 ファームウェアver.1.0 / ver.1.5の違い」を参照してください。 --- ## 免責・注意事項(原文要旨) 本ドキュメントは、電子部品、無線通信モジュールのデータシートとしての性質を有します。製造元・販売元・権利者は株式会社クレアリンクテクノロジー(以下「当社」)。対象製品「E220-900T22S(JP)」は「22S」または「モジュール」「通信モジュール」「本製品」と略記します。 本ドキュメントは「現状の形」で提供され、商品性・特定目的への適合性・非侵害の保証を含め、いかなる保証も行われません。内容は予告なく変更される場合があります。 本製品は、医療機器、軍事機器、自動車・航空機の運転装置類など、人命や財産への危害を与える恐れのある高い安全性・耐久性を要件とする用途での使用は想定していません。安全性・適合性の判断は設計者の責任で行ってください。 本ドキュメントの内容についての責任は、発行者が提供するサポート範囲を超えません。知的財産の使用許諾は本ドキュメントによっては付与されません。 技術情報・試験結果は、株式会社クレアリンクテクノロジー、量産製造を担当するChengdu Ebyte Electronic Technology Co., LTD.、および国内電波法準拠の認証機関によって取得されたものであり、実使用条件によって結果が異なる場合があります。 本文書に記載の商号・商標・登録商標は各所有者に帰属し、本文書の著作権は株式会社クレアリンクテクノロジーに帰属します。 この日本語版ドキュメントは、日本国内の電波法に適合させた製品の日本人技術者向けサポート用に作成されたものであり、類似製品や海外販売品には適用されません。当社正規販売チャネル外で入手した製品には、本ドキュメントの内容は適用されず、サポートも提供されません。 E220-900T22S(JP)は920MHz特定小電力無線であり、当社の技術認証を受けた事実に基づく適切な使用方法である限り、利用に法的義務・制限は生じません。 --- ## 1 概要 このドキュメントでは、主に、ハードウェア仕様、ソフトウェア仕様、設計・製造等における必要事項などの技術要件や制約などを説明しています。 ### 1.1 はじめに 本920MHz LoRa省電力ワイヤレスモジュールは、電波の送受信を行うためのモデム・無線部と、その制御や設計者へのデジタル通信機能を提供する制御ソフトウェアであるファームウェアを搭載した省電力マイクロコントローラーで構成されています。また、それらに安定した電力を供給するための電源回路を内包しています。 E220-900T22S(JP)は、LoRaワイヤレスの新世代モジュールであるSEMTEC社LLCC68チップを採用し、UARTシリアル通信インタフェースを提供する通信モジュールです。このモジュールは、LoRaワイヤレス伝送の多様な方式とパラメータをサポートし、周波数920.6〜928.0MHzの920MHz帯アンライセンスバンドを使用し、LoRaスペクトラム拡散技術によって動作します。標準的な電源構成において、TTLレベル出力は、3.3V I/Oポートの信号電圧と互換性があります。 E220-900T22S(JP)は、この新世代のLoRaモデムチップの採用によって、従来のSX1276ソリューションと比較して伝送距離が長く、高ビットレートで、消費電力が低く抑えられているのが特徴です。 また、Wake on Radio(WOR: 無線によるウェイクアップ)、Carrier Monitoring(キャリアモニタリング、キャリアセンス)、Communication Key(通信暗号キー)などの機能をサポートし、Sub-Packet Length(サブパケットの長さ)設定などをサポートします。本製品は日本国内でアンライセンスでの利用が許可された920MHz帯の広い周波数範囲をカバーすることができます。 ### 1.2 機能 本モジュールの代表的な機能概略を列挙します。一般的な同種のモジュールに搭載されている機能の他、本モジュール固有の機能も含みます。対応ファームウェアバージョンが付記されている機能は、そのファームウェアバージョンで利用可能になった機能です。 - LLCC68チップソリューションの採用で低消費電力、高速、長距離に対応 - 920MHz Private LoRa方式(他社・他種のPrivate LoRa、LoRaWANとの相互通信・互換性はありません) - 理想的な条件下では通信可能距離は5km以上 - 送信電力はソフトウェアから調整可能 - パケットあたり最大200バイトのペイロードを使用可能 - ソフトウェアの開発者や利用者自身でCommunication Key(通信暗号キー)を設定可能 - 通信暗号キーは読み取ることができず、LoRa通信における通信の機密性の向上に寄与 - 信号品質の評価、通信ネットワークの改善、および測距のためのRSSI信号強度インジケータ機能をサポート - バッテリー駆動のアプリケーションに適した、Wake on Radio(WOR)をサポートし超低消費電力機能を提供 - 固定デバイス宛送信、ブロードキャスト送信、チャネル監視をサポート - 日本国内でのISM 920MHz周波数帯域をサポート - 最大送信電力は13dBm(約20mW) - 設定パラメータは電源オフ後、不揮発メモリに保持され、モジュールは電源投入後に、その保持されているパラメータに従って動作 - 効率的なウォッチドッグ設計で、万一の例外の発生時には、モジュールは自動的に再起動し、以前のパラメータ設定に従って継続動作 - DeepSleepによる待機、送信、受信待受、省電力WOR受信待受のモードセレクタ - 1.7K〜62.5kbpsのデータ伝送レートをサポート(連続送信時には電波法の制約で低下) - 標準給電手順では、3.1〜5.5V(3.5V以上推奨)のDC電源をサポート - 内蔵LDOの余剰電力を設計者の機器に供給して省電力化 - 低電圧給電手順の使用で2.2〜3.6V (2.9V以上推奨) DC電源に対応 [ver.1.2以降] - 業界標準設計の、-40〜+85℃環境下での長期使用をサポート - アンテナ端子はIPEX接続と設計者によるPCB引き出しでの使用を選択可能 - パッケージは小型で手はんだ、量産リフローに対応 ### 1.3 アプリケーション E220-900T22x(JP)シリーズは、シリーズモデルである22Sと22Lで相互通信も実現でき、アプリケーションの幅を拡大します。 - ホームセキュリティアラーム、リモートキーレスエントリー - スマートホームおよび産業用センサー - ワイヤレスアラームセキュリティシステム - ビルディングオートメーションソリューション - ワイヤレス産業グレードリモートコントロール - ヘルスケア製品 - 高度な検針アーキテクチャ(AMI) - 産業向けアプリケーション - 農林水産業向けフィールドアプリケーション - 研究ラボ計測機器 - ウェアラブルデバイス ### 1.4 アプリケーションのトポロジーや電力コントロール Private LoRaにおけるトポロジー(通信ノードの通信パターンの組み合わせ方など)は、LoRaWANなどと比較して自由度が高く、LoRaWANでは実現できないアプリケーションを実現できる可能性があります。また、LoRaWANのような、インターネットを介してクラウドサーバーへデータを集約するような使用方法を想定する場合は、このPrivate LoRaからIP通信へのゲートウェイ(LoRa – IP Gateway、アクセスポイント)を設置・使用して、中継が必要です。 本通信モジュールに、特段の目的を区別する機能やモジュールの区別はなく、コンフィグレーション機能からの設定と、アプリケーションの実装によって、振る舞いを任意に実装できます。 Private LoRaでよく使用されるトポロジーには以下のようなものがあります。 **アクセスポイント/ゲートウェイ** ゲートウェイが中心となり複数のアクセスポイントと接続する構成です。各アクセスポイントには複数のデバイスを接続可能で、それぞれのデバイスはアクセスポイントを通じてインターネットにデータを送信します。アクセスポイントとゲートウェイ間は、LoRa通信、それ以外の通信方式のいずれも使用可能です。また、アクセスポイントを省略したデバイスが直接ゲートウェイへ接続するパターンがより多く使用されます。 **マルチアクセスポイント/ローミング** 複数のアクセスポイントが同一のゲートウェイに接続され、同じネットワークを形成する構成です。ローミングデバイスは各アクセスポイントに通信可能で、デバイスがアクセスポイント間を自由に移動できることを示します。この構成により、デバイスは広い範囲でデータ送達パスを確保しながらアクセスポイントのカバレッジエリア内を移動できます。デバイスは送信先であるアクセスポイントを(位置情報などから)明示的に指定するか、すべてのアクセスポイントでデバイスからの送信パケットを受信できるように設計する必要があります。 **マルチホップ/中継伝送/メッシュ** 各ノードが複数の他のノードと接続され、メッシュ構造を形成する構成です。ノード間の接続は双方向で、データの送受信が可能です。直接的な接続がないノード間でも、中間ノードを経由してデータ伝送が行われます。利点として以下が挙げられます。 - 冗長性:複数の経路が存在するため一部のノードが故障しても通信が維持される - 拡張性:新しいノードを容易に追加できる - 自己修復:ネットワークは動的に最適な経路を見つけることができる - 広いカバレッジ:直接通信できない遠距離のノード間でも通信が可能となる このようなメッシュ型マルチホップを行う場合は、本Private LoRaモジュールにおいては、アプリケーションによる実装にて、マルチホップメカニズムを実装する必要があります。 **一斉配信/制御/同期/ビーコン** 中央コントローラーから各ノードへの一斉配信を表す構成で、制御コマンドや更新情報の配信などに使用されます。また、ビーコン送信は各ノードが定期的に送信するビーコン信号を表し、ノードの存在を知らせたり通信のタイミングを維持したりするために使用できます。Private LoRa方式では、通信の長距離到達性を利用して、このような使用方法が比較的広いエリアに適用可能です。また、中央コントローラーを受信専用で使用する場合で、一切送信処理を行わないようにした場合は、受信専用アンテナとして、電波法の規定を無視できる場合もあります。 **ピア・ツー・ピア型** 各アプリケーションの機能が各ピア(LoRaデバイス)に分散しており、中央サーバーを介せず全てのピアが対等な立場で通信を行う構成です。通信インフラが脆弱な僻地や、通信インフラの空白地帯において、デバイス間での自律通信を成立させたい場合に使用される方法です。インターネットへのデータ伝送はできませんが、互いの位置関係を把握するなど、ワイヤレス通信でのアドホックな閉域網として機能させる場合、本モジュールでは簡便に実装できるため好まれます。 ### 1.5 ファームウェアver.1.0 / ver.1.5の違い ファームウェア ver.1.0とver.1.5は互換性に配慮した、高機能かつアプリケーションやハードウェアの堅牢性を強化する目的で設計されたファームウェアです。ver.1.x搭載のモジュールはver.2.0へ変更することはできません。 ver.1.2は、ver.1.0に低電圧動作モード切り替え機能を提供し、より低い電圧での動作継続を行えるよう改良されたファームウェアです。 現在、製品モデル毎のファームウェアバージョンのサポートは、次の通りです。 - E220-900T22S(JP) firmware ver.1.0, ver.1.5 ver.1.5における変更点は以下のとおりです。 **低電圧動作モード切り替え機能** ver.1.5においては、給電電圧レベルを低圧方向へ拡大し、低電圧給電専用端子から、(UVLO無効設定時)最低2.1V程度まで動作させることが可能となりました。モジュール全体の要求電源電圧は、2.1〜5.5Vと広いレンジで対応でき、3.7V系バッテリー(3.0-4.2V程度)、乾電池や乾電池タイプの二次電池(2本直列時、2.1〜3.4V程度)、コイン・ボタン電池(CR系2.9〜3.1V程度)USB VBUS+5V給電、多くのマイコンで使用される3.3Vや2.8Vなどと直結でき、可変電圧レベルにも各給電端子電圧の対応範囲で許容できるため、一般的な設計における外挿の電圧レギュレータを省略することも可能となり、バッテリーや機器の小型化を可能とします。本ドキュメント提供時点より、VDD端子からの低圧給電ピンの利用を公式にサポートします。旧来の、VCC端子(上限5.5V)と排他的に給電ピントして利用することが可能です。 **キャリアセンスのタイムアウト機能(ver.1.5新規)** 送信時に強い電波干渉がある場合、キャリアセンスが継続し、正常な状態に戻らない問題を改善しました。キャリアセンスの継続時間に5秒のタイムアウトを設け、キャリアセンス待機状態が持続しないようにしました。タイムアウトが発生した場合、該当の送信パケットは破棄されます。 **送信結果判定用フラグの追加(ver.1.5新規)** 送信時、AUXピンがHighに戻った際に、送信が成功したか否かをユーザープログラムで判別できるよう、タイムアウト発生を示すフラグを追加しました。また、このフラグの状態を取得できる専用コマンドを実装しました。 > 上記2点の改修内容を含む詳細については、当社が別途提供する「ファームウェアver1.5までの改修点をまとめた差分ドキュメント」を参照してください。本データシート本体(レジスタマップ・コマンド仕様等)には、これらの新機能の詳細なレジスタ/コマンド仕様は個別記載されておらず、差分ドキュメントが正式な参照先となります。 ### 1.6 ファームウェアver.2.0使用時の本ドキュメントの利用 本ドキュメントは、ファームウェアver.1.0、および、ver.1.5を対象に記載されています。ver.2.0を使用する場合は、原則として、ver.2.0のドキュメントを参照してください。 ただし、以下の条件を前提として本ドキュメントをver.2.0における、ver.1.0/1.2互換機能の利用向けとして、使用することは可能です。ver.2.0で強化された高度な機能を無視して、簡易的に、ver.1.0/1.2の機能を確認する場合などの使用方法としては問題ありません。 - ver.1.0/1.2のデフォルト設定の差を吸収すること:0x09レジスタのbit 6を操作することで、ver.1.0/1.2のデフォルトと揃えることが可能です。トランスペアレント送信モードを使用することが前提の場合は、これは無視してかまいません。 - ver.1.0/1.2で作成されたアプリケーションをver.2.0モジュールで使用する場合には、モジュール内部のバッファの振る舞いが異なることに起因するAUXピンの信号タイミング等が若干ずれることを許容するようにしてください。通常の割り込みや十分に余裕のある堅牢なタイミング制御がされている場合は問題になることは無いと思われますが、僅かなAUX信号や、RXDからの受信タイミングなどの変化が許容できない実装がされているアプリケーションでは、アプリケーションの実行時間や効率性などに影響が生じる場合があります。 - トランスペアレント送信モード使用時の挙動が、内部バッファのサイズの影響で送信データの量によって、若干変化する可能性があります。トランスペアレント送信モードを利用時は、このパケット区切りなどの影響が生じないアプリケーションでの使用方法を想定、もしくは、採用すべきですが、そうで無い場合、アプリケーションの挙動が変化する可能性があります。 - トランスペアレント送信モードを使用せず、通常(Fixed-block)送信モードを使用することで、ver.2.0でのve.1.x互換モードでの動作とver.1.0/1.2の機能的な振る舞いは上記以外の点においては同一と見做すことが可能です。 --- ## 2 仕様 ### 2.1 モジュールの内部構成 本モジュールは、小さなプリント基板に高周波回路部品を配置したSoM RFモジュールとして提供しています。このモジュールの金属保護板の内部は、制御用省電力マイクロプロセッサ、RFモデムチップ、RFスイッチ、フィルター回路、および、電源回路によって構成されており、設計者、および、利用者によって、適正な使用をされる範囲においては、電波法などの遵守などを含め安全に使用できる設計になっています。 本品の改造、または、本モジュールの形を変更して仕様するなど当社の指定しない方法での電波放射は、電波法に抵触する可能性が高い行為であるため行わないでください。 ### 2.2 定格 **定格** | パラメータ | 最小 | 最大 | 詳細 | |---|---|---|---| | VCC 給電電圧(V)(VDD端子と排他利用) | 2.2 | 5.5 | 低電圧動作モード無効時は最小3.1V | | VDD 給電電圧(V)(VCC端子と排他利用) | 2.1 | 3.6 | 低電圧動作モード無効時は最小3.0V | | VCC消費電流(mA) | - | 約300※1 | VCC給電時 | | VDD消費電流(mA) | - | 約300※1 | VDD給電時 | | VDD出力電流 | - | 約300※1 | VCC給電時の出力可能電流 | | VDD引出可能電流 | - | 約150※1 | 100mA程度以内で使用することとし、ノイズなど混入させないこと | | ブロッキング電力※2(dBm) | - | 10 | 短距離使用の場合の焼損可能性は低い | | 動作温度範囲 (℃) | -40 | +85 | 産業・工業グレード設計 | ※1 各電流値は、モジュール内部のLDOの出力電流定格を表しています。VDD出力電流を実際に使用する場合は、モジュール内部消費電流を引いた値が出力電流の利用上限となります。 ※2 ブロッキング電力とは、ノイズなどの干渉信号による妨害で、受信機のアンプが線形増幅できない信号歪みの生ずる点を超えて、信号の利得が3dB低下するポイント(3dB compression point)の干渉信号の電力を表します。受信モジュールのすぐ近くで、同一周波数帯の信号を発信すると、受信感度が低下します。 **絶対定格** | パラメータ | 最小 | 最大 | 詳細 | |---|---|---|---| | VCC 給電電圧(V) | -0.3 | 5.5 | 5.5Vを超える電圧を印加すると、モジュールは恒久的な損傷を受ける可能性があります。VDD端子から給電する場合は、VCC端子は開放する必要があります。 | | VDD 給電電圧(V) | -0.3 | 3.6 | 3.6Vを超える電圧を印加すると、モジュールは恒久的な損傷を受ける可能性があります。VCC端子から給電されている場合、VDD端子は、約3.3Vのモジュール内部LDOの出力を観測できます。 | | その他 I/O端子電圧(V) | -0.3 | 3.5 | | | IIO-SRC I/Oピン出力電流 (mA) | - | -25 | TXD, AUXの各ピンは、この出力電流まで取り出すことが可能ですが、給電電流がその分増加します。 | | IIO-SRC I/Oピン入力電流 (mA) | - | 25 | RXD, M0, M1の各ピンは、この入力電流まで流し込むことが可能ですが、これらの各ピンは、入力Hi-Z状態を維持しているため通常はこの電流を流すことはできません。 | ### 2.3 動作パラメータ **VCCから給電の場合** | パラメータ | 最小 | 標準 | 最大 | 詳細 | |---|---|---|---|---| | 動作電圧(V) | 3.1 | 5.0 | 5.5 | | | 動作電圧(V) UVLO disable時 | 2.2 | 5.0 | 5.5 | | | ロジックレベル(V) | ※3 | 3.3 | - | 5V TTLを接続した場合、焼損の可能性があります | ※3 VCCが3.3V以下の場合、各ロジックレベルの取り扱いにはレベルシフト回路の実装を推奨します。 **VDDから給電の場合** | パラメータ | 最小 | 標準 | 最大 | 詳細 | |---|---|---|---|---| | 動作電圧(V) | 3.0 | 3.3 | 3.6 | | | 動作電圧(V) UVLO disable時 | 2.1 | 3.3 | 3.6 | | | ロジックレベル(V) | - | VDD | - | 5V TTLを接続した場合、焼損の可能性があります | **共通** | パラメータ | 最小 | 標準 | 最大 | 詳細 | |---|---|---|---|---| | 動作温度範囲 (℃) | -40 | - | 85 | 産業・工業グレード設計 | | 中心周波数(MHz) | 920.6 | - | 928.0 | 日本国内ISMバンド | | 消費電流:送信時(mA) | - | - | 43 | 瞬間消費電流@13dBm | | 消費電流:受信待機時(mA) | - | - | 8.2 | パケット受信時も同じ | | 消費電流:WOR受信モード平均(μA) | 60 | - | 330 | WORサイクルは500ms~3000ms。WORサイクル500msのとき最大、3000msのとき最小 | | 消費電流:Config/DeepSleepモード時(μA) | - | 2.5 | - | | | 最大送信電力(dBm) | - | 13 | - | | | 受信感度(dBm) | - | -124 | - | -124dBm,BW=125kHz,SF=7 / -129dBm,BW=125kHz,SF=9 / -121dBm,BW=250kHz,SF=7 / -129dBm,BW=250kHz,SF=10 / -117dBm,BW=500kHz,SF=7 / -127dBm,BW=500kHz,SF=11 | | LoRa変調速度(bps) | 1.7k | - | 62.5k | 設定で変更可能 | | 伝送速度(bps) | 1.1k | - | 31.6k | 200byteデータ送信時のTime on Airから算出 | | 最大パケット長 | 200 byte | | | 周波数区分によって、一部32 byteに制限されます。ver1.xでは、通常(Fixed-block)送信モードでの宛先アドレスとチャンネル設定の3バイトを含みます(実質197byteがペイロード)※4 | | 送信サブパケット長 | 32/64/128/200 byte | | | 透過(トランスペアレント)通信モードの場合 | | 変調方式 | LoRa | | | 次世代LoRaモジュール技術 | | インタフェース | UART | | | TTL Level | | RF出力インピーダンス | 50Ω | | | | | パッケージ | DFN-22端面スルーホール SMT実装タイプ | | | | | コネクタピッチ | 1.27mm | | | 端面スルーホール(スタンプホール) | | サイズ | 16mm × 26mm × 3.0mm | | | | | 重量 | 2g | | | | | アンテナ端子 | IPEX / エッジスルーホール | | | インピーダンス50Ω | | 準拠無線装置規格 | ARIB STD-T108 | | | | ※4 受信時は、最大200バイトのペイロード長に対応することができ、ファームウェアver.2.0の通常(Fixed-block)送信モードと通信互換性があります。 ### 2.4 電圧レンジと電力送信パフォーマンス **E220-900T22S(JP) VCC給電時** | パラメータ | 最小 | 最適出力(下限) | 最大 | 詳細 | |---|---|---|---|---| | 給電電圧(V) | 2.2 | 3.1 | 5.5 | | | 最大出力(dBm) | 11.3 | 13.0 | 13.0 | 13dBm設定時 | **E220-900T22S(JP) VDD給電時** | パラメータ | 最小 | 最適出力(下限) | 最大 | 詳細 | |---|---|---|---|---| | 給電電圧(V) | 2.1 | 3.0 | 3.6 | | | 平均出力(dBm) | 11.3 | 13.0 | 13.0 | 13dBm設定時 | ### 2.5 ロジックレベル ロジックレベル等の各特性は、モジュール内部のコントローラーICと、内部の電源回路によって決定されます。 **ロジックレベル 出力特性: VCC給電時** | 記号 | 説明 | 条件 | 最小 | 最大 | 単位 | |---|---|---|---|---|---| | VOH | High level output voltage Source Current | Sourcing 4 mA, VCC = 3.3 V ※4 | VCC-0.25 | | V | | VOH | | Sourcing 6 mA, VCC = 3.3 V ※5 | VCC-0.6 | | V | | VOL | Low level output voltage Sink Current | Sinking 4 mA, VCC = 3.3 V ※4 | | VSS+0.25 | V | | VOL | | Sinking 6 mA, VCC = 3.3 V ※5 | | VSS+0.6 | V | ※4 指定された最大電圧降下を満たすには、すべての出力を組み合わせた最大合計電流 IOH(max) および IOL(max) が 40mA を超えてはなりません。 ※5 指定された最大電圧降下を満たすには、すべての出力を組み合わせた最大合計電流 IOH(max) および IOL(max) が 100mA を超えてはなりません。 **ロジックレベル 入力特性: VCC給電時** | 記号 | 説明 | 条件 | 最小 | 最大 | 単位 | |---|---|---|---|---|---| | VIH | Positive-going input threshold voltage | VCC≧3.5 | 0.7×3.3 | | V | | VIH | | VCC<3.5 | 0.7(VCC-0.2) | | V | | VIL | Negative-going input threshold voltage | VCC≧3.5 | | 0.3×3.3 | V | | VIL | | VCC<3.5 | | 0.3(VCC-0.2) | V | **ロジックレベル 入力特性: VDD給電時** | 記号 | 説明 | 最小 | 最大 | 単位 | |---|---|---|---|---| | VIH | Positive-going input threshold voltage | 0.7VDD | | V | | VIL | Negative-going input threshold voltage | | 0.3VDD | V | **入力端子特性** | 記号 | 説明 | 最小 | 典型 | 最大 | 単位 | |---|---|---|---|---|---| | Vhys | 入力電圧ヒステリシス (VIH – VIL) | | 0.3 | | V | | Rpullhigh | Pullup resistor | | 80 | | kΩ | | Rpulllow | Pulldown resistor | | 40 | | kΩ | | Cinput | Input capacitance | | 5 | | pF | **ESD特性** | 記号 | 説明 | 典型 | 単位 | |---|---|---|---| | V_ESD_HBM | ESD @Human Body Mode | 4 | kV | | V_ESD_CDM | ESD @Charge Device Mode | 1 | kV | | V_ESD_MM | ESD @Machine Mode | 200 | V | | I_latchup | Latch up current | 200 | mA | ### 2.6 低電圧動作モード E220-900T22S(JP)においてFirmware ver.1.5を使用することにより低電圧動作モードに対応します。低電圧動作モードへの切り替えは第9章のレジスタ0x05にて設定操作を行うことで使用可能となります。給電電圧の下限値を引き下げるこの低電圧動作モードの利用では、内部の低電圧検出の閾値を下げることによって、より低い電圧での動作継続を行えるようにしており、より低い電圧においては、相対的に電圧の安定度に対する要求は高くなるため、不安定な電圧源での仕様は推奨されません。 モジュール内部の3.3V設計電力ラインは、VCCからの給電時はモジュール内のLDOを通して、また、VDDからの給電はVDD給電電圧がそのまま反映されます。通常電圧レンジでの動作モードにおいては、内部コントローラーのUVLO(Under Voltage Lock Out)閾値が2.9Vに維持され、3.0Vを下回る給電電圧時に、動作不具合の回避や不完全機能動作による電力消費をカットするため、低電圧ロックアウトが働き、3.0V以上の電圧に復帰するまで内部処理が停止されます。本モジュールの低電圧動作モードを有効とした場合、このUVLOの閾値が2.0Vまで引き下げられ、ロックアウトする電圧閾値が下がります。このとき、設計者は、この3.3V設計電力ラインに2.1V以上の安定した電力が供給されることを保証する必要があります。 この低電圧動作モードでは、安定動作のための電圧マージンが少なくなること、また、電圧変動のリプルや電気的ノイズの影響を受けやすくその影響が相対的に大きくなることから、3.5V程度以上をVCCから給電する場合と比較して電源の安定要件が厳しくなります。バッテリーなどのリプルが少ないDC電源の使用においては、電源インピーダンス(電池の内部抵抗による出力インピーダンスなど)について気にする程度でよく、本モジュールの最大消費電流程度の使用において十分な電池性能のものであれば、低電圧動作モードは比較的容易に、安全に働かせることが可能です。スイッチング電源などリプルが大きくなる可能性がある電源や、出力インピーダンスが大きくなる可能性のある電源を使用する場合は、バイパスコンデンサ、および、リプル低減のための電源出力ローパスフィルタなどでの対策を推奨します。もしくは、通常のVCCから高めの電圧を給電してください。VDDの給電電源に高周波ノイズが多い場合は、フェライトビーズなどの実装を追加するなど高周波成分の除去を行うことも検討してください。このVDD電源の品質は無線モデムチップへの安定電圧の給電の安定性に直接的に影響します。 本モジュールのコントローラー、および、LoRa RFモデムは、電気的仕様で定められた低電圧でも動作しますが、低い電圧域では、無線電力の出力が低下する範囲が生じます。本モジュール規格上の最大電力を得るためには、それぞれの給電、および、動作条件における最適な電圧にて給電を行ってください。 ### 2.7 VCC給電時のVDD出力電流の利用 VCCからの給電時に限って、VDDを3.3Vか、もしくはそれ以下の電源出力、もしくは、信号レベルの基準電圧源として使用することが可能です。このVDDピンは、モジュール内部のLDOの出力ピンにつながっており、モジュール内部における3.3V設計電力ラインの電圧を出力します。VCCからの給電電圧が3.4V程度を下回ると、(LDOの自己ドロップ電圧によって)このVDDピンの出力電圧はそれにつれて低下します。また、UART、M0、M1、AUXの各ピンの信号レベルもこの低下に合わせる必要があり、この電圧低下における動作を設計者が担保しようとする場合は、このVDDピンの出力電圧を基準に各信号ラインのレベルシフト回路を構成してください。 VCCからの給電時にVDDから電流を取り出して使用することも、制限を守る限りにおいて可能です。内部LDOは約300mA程度の出力が可能であり、モジュール内部のコンポーネントへのピーク時給電が150mA程度に達するため、若干の余裕をみても100mA程度の3.3V電源として使用することは可能です。 ただし、この3.3V設計電力ラインは、モジュール内部において重要な機能への給電ラインとして電力を供給しているため、ノイズの混入や過電流消費、3.7Vを超える電圧の印加などは絶対的に禁止されます。これらの問題に配慮した小電流の使用においては、設計機器全体の電源部品を削減できるメリットもあり、また、外挿電源による自己消費電流をカットできるため、省電力性をより高めることが可能です。 ### 2.8 準拠規格 一般社団法人電波産業会(ARIB)ARIB STD-T108「920MHz帯テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備」 --- ## 3 ピンアサイン E220-900T22S(JP)のモジュール外形サイズは、26mm×16mm、厚み3.15mmの端面スルーホール加工を施した、22ピンのDFNモジュールです。同一のランドパターンにおいて、リフロー、手はんだ、いずれでも対応できます。 Pin1〜3、および、Pin20〜22を含む側(RF側)は、アナログRF回路を搭載した領域となっており、Pin4、および、Pin19と間隔が空いています。プリント基板に最適に実装するためには、この間隔が空いた部分で、デジタルGNDと、RFグランドを分離することを推奨します。また、このRF側には、高周波発生源を含む部品実装や、基板のGNDインピーダンスに影響を与える素子の配置は控えることが好ましく、RFグランドとデジタルGND間の影響は少なくなるようにGNDパターンをレイアウトされることを推奨します。また、GNDはモジュールの安定動作のため、モジュールのすべてのGND端子を接続して使用してください。 ### 3.1 ピンアウト [E220-900T22S(JP)] | No. | ピン名称 | 方向 | 機能説明 | |---|---|---|---| | 1 | AGND | GND | RFグランド | | 2 | AGND | GND | RFグランド | | 3 | AGND | GND | RFグランド | | 4 | GND | GND | グランド | | 5 | M0 | IN | M1ピンと併せて4種の動作モードを決定します。(モジュール内部でweak pull-upされています) | | 6 | M1 | IN | M0ピンと併せて4種の動作モードを決定します。(モジュール内部でweak pull-upされています) | | 7 | RXD | IN | UART入力、外部デバイス(MCU、PC)のTXD出力ピンに接続します。(TTL、通常は3.3Vですが、信号レベルは給電端子、電圧によって変動します) | | 8 | TXD | OUT | UART出力、外部デバイス(MCU、PC)RXD入力ピンに接続します。(TTL、通常は3.3Vですが、信号レベルは給電端子、電圧によって変動します) | | 9 | AUX | Out | モジュールの動作状態を示すために使用されます。MCUをウェイクアップするとき、および、モジュールへの電源投入時のセルフチェック初期化中にLow (アイドル状態はHigh)を出力します。(使用しない場合は、Floatingのままにすることができます。通常は3.3Vですが、信号レベルは給電端子、電圧によって変動します)使用する場合は、信号レベルの安定化のため、AUXピンの近くに、AUXピンとGND間に100nF(104)程度のキャパシタ配置することを推奨します。 | | 10 | VCC | PS | 電源供給端子として3.1〜5.5V DCを供給します。通常は、この端子を利用して給電を行ってください。VDD端子から給電する場合は、この端子は開放してください。 | | 11 | GND | GND | グランド | | 12 | SWDIO | IN/OUT | ファームウェア更新用SWDIOピン | | 13 | SWGND | GND | グランド(ファームウェア書き込み時にGNDとして利用) | | 14 | SWCLK | IN | ファームウェア更新用SWCLKピン | | 15 | VDD | OUT/PS | (Output)内部3.3V LDO出力ピン(モジュールの内部消費電流と合わせて最大300mAまで)。(PS)VDD低電圧給電ピン 2.1〜3.6Vを給電します。ただしPS(給電)ポートとして利用する場合は、VCC端子には給電はしてはいけません。 | | 16 | NC | - | Empty Pin | | 17 | NC | - | Empty Pin | | 18 | NC | - | Empty Pin | | 19 | GND | GND | グランド | | 20 | AGND | GND | RFグランド | | 21 | ANT | RF | アンテナ接続端子 | | 22 | AGND | GND | RFグランド | ### 3.2 回路設計や基板実装時のピンアサインの注意 各ピンの取り扱いや制限について、以下注意事項を遵守してください。 - GND、AGNDともに、すべてプリント基板、電源のGNDに接続してください。SWGNDは、GNDへ接続するか、開放のどちらでもかまいませんが、開放した場合は、ファームウェア更新時の書き込み機器のGNDをSWGNDに接続することを推奨します。 - VDDピンは、VCCからの給電の代わりに低電圧給電を行える電源供給ピンです。直接3.3Vもしくは、それ以下の電圧を給電可能です。VDDから給電を行う場合、給電の安定化のため、VDDピンの近くに100nF(104)のMLCCキャパシタなどを配置し、設計者の責任の下、給電電源においても電流容量、出力インピーダンスに余裕のある電源を使用してください。電流不足、また、それによる電圧降下などによって、UVLO(低電圧ロックアウト)、もしくは、UVLOをオフの状態では直接的な動作不良の原因となります。 - VDDピンへのスイッチング電源の出力の給電は推奨しません。スイッチングノイズやリプルの少ないリニア電圧レギュレータや出力インピーダンスに余裕のある電池などを接続することを想定しています。電源リプルなどによって、異常動作の原因となる可能性があるほか、モジュール内の低圧回路に損傷を与える可能性があります。 - NCピンは、使用しません。Floating(開放)させてください。 - 外部の給電制御回路などによってモジュールの電源を断つ場合、M0、M1端子のPull-upに注意してください。レベルシフト回路などを挟んで、モジュールと接続する場合に本モジュールの信号線を経由して電流が流れないようにしてください。(モジュールが破損しない場合でも、モジュール内部の抵抗などを通して消費電流が生じます) - 本モジュールは広い電源範囲に対応しています。信号線は3.3Vを上限(基本)として、給電電圧によりそれ以下になる場合があります。各ピンの信号レベルは、給電電圧と3.3Vを超えないようにしてください。 --- ## 4 通信機能の詳細 E220-900T22S(JP)は、920MHz Private LoRa通信を提供する通信モジュールです。Private LoRaは、LoRa変調モデムを使用したデジタル無線を使用する点では、LoRaWANや他のPrivate LoRa通信モジュールと同じですが、変調データを作成する手順やデータエンコード、暗号方式など異なっており、それらと相互に通信することはできません。 ### 4.1 デバイスアドレスと通信方法 E220-900T22S(JP)は、コンフィグレーションにより、デバイス毎にID(デバイスID、もしくは、デバイスアドレスと称する、符号無し16bit値で、16進表現で表す)を付与します。また、受信待ち受けチャンネルを指定して受信待機させることができます。また、送信時には、送信チャンネルと、ターゲットのデバイスIDを指定してパケットを送信します。 受信待ち受けチャンネルはモジュールに1つしか設定できませんが、送信チャンネルは送信毎に指定可能です。送信先モジュールの受信待ち受けチャンネルが予め分かっている場合、送信チャンネルを送信パケット単位で切り替えて(電波の混信を減らすように)送信することも可能です。このPrivate LoRa通信においては、すべてのデータ送信と受信は、パケット単位で行われ、パケット送信中のヘッダ(に相当する情報)やエンコードされたペイロードがLoRa変調され無線で発射されている時間がパケットの送信時間となり、一般にAir Timeと定義されます。本モジュールにおいて、送信と受信はモジュール内のRFユニット(アンテナや伝送回路など)を共有します。送信処理中は同時に受信できないため、送信処理の完了まで(タイムアウトを含む、タイムアウト時間の設定については第9章のレジスタ0x0Aを参照)は他モジュールから自モジュール宛のパケットが送信されていても受信できない状態となります。 送信データには、ターゲット情報が付与されるため、そのパケットを受信したモジュールにおいて、自デバイス宛か否かを判断しています。受信デバイスでの受信動作中は、後述のWOR受信時を除き、受信アンプにより常時電波をモニターしているため、受信電力はパケットの受信動作と関係無く受信アンプの消費電流分の受信電力を消費します。本Private LoRaでの送信方式は、ターゲットアドレスの宛先指定によって決定され、ユニキャスト送信(デバイス指定、0xFFFF以外の16bit値)、ブロードキャスト送信(0xFFFF)を選択できます。また、受信デバイスのIDについても、0x0000〜0xFFFEまでの値を通常のデバイスIDとして設計者の任意で使用することができ重複して割り当てることも可能です。0xFFFFは、モニターアドレスと呼び、このモニターアドレスを設定されたデバイスは、すべてのターゲットアドレス宛のパケットを受信することができます。 **表 デバイスアドレス設定値(16bit値)** - 受信側: デバイスID(アドレス) 0x0000~0xFFFE、モニターID(アドレス) 0xFFFF - 送信側: ターゲットID(アドレス) 0x0000~0xFFFE、ブロードキャストID(アドレス) 0xFFFF 受信可能なパケットは、拡散係数、帯域幅が同一に設定されたLoRa通信モジュールで、かつ、送信デバイスの送信時の送信チャンネル(無線周波数)指定と、受信デバイスでの待ち受け受信チャンネル(無線周波数)、および、通信暗号キー(デフォルトでは0x0000)が一致している場合に限ります。この条件に合致する場合に限り、モジュールはパケット受信動作によって、ターゲットIDを識別します。ターゲットIDの識別によって自モジュールが受信すべき判断がされたパケットのみ、モジュール内の受信バッファに格納し、その後UARTから出力されます。 自デバイスの情報は、パケット伝送時に含まれないため、発信ノードのIDを受信ノードで得たい場合は、設計者によってパケットのペイロードにIDなど自ノードを示す情報を含む必要があります。受信デバイスでは、ペイロード、受信パケットのRSSI値(受信電波の強度)を取得できます。 **表 LoRaパラメータの設定値と受信時の取得可能値** - 受信側・送信側で同一にしなければならない設定情報: 拡散係数 Spreading Factor (SF値)、帯域幅 Bandwidth (BW)、通信暗号キー、(WORを使用するときは)WORサイクル - 送信時指定情報: ターゲットデバイスID/ブロードキャストID、送信周波数チャンネル - パケットを構成する情報: プリアンブル/WORプリアンブル、ターゲットデバイスID、ペイロードデータ - 受信時に取得可能な情報: ペイロードデータ、RSSI(受信電波の強度) ### 4.2 ユニキャスト送信(デバイス指定送信) ユニキャストは、送信チャンネルとターゲットアドレス(宛先)を指定してペイロードを送信します。受信待ち受け側で設定されているLoRa通信パラメータ(BW、SF)、チャンネル、および、ターゲットアドレスの組がマッチしており、かつ、通信暗号キーが合致した場合にその受信デバイスはそのパケットを受信します。LoRaパケット送受信は、TCP/IPのようにコネクションを持たない通信であり、かつ、電波の到達範囲でこのパケットは受信可能であるため、複数のデバイスに同一のターゲットアドレスが設定されていれば、それぞれがほぼ同時に同じパケットを受信します。 この仕組みを利用して、制約はあるものの、マルチキャストや、エニーキャストのような振る舞いをさせることもアプリケーションの設計者によって実現可能です。このユニキャストは、受信時の処理で、自モジュールでの受信が確定しないかぎりは、接続されるMCUへの受信トリガ信号であるAUX信号は変化しません。この機能を利用して特定のデバイスにGPIO信号でのトリガをかけることも容易です。 アプリケーションによってACK(Acknowledgement packet、確認応答パケット)を返却したい場合がありますが、ACKは送信モジュールの待ち受けチャンネルとデバイスID宛返信される必要があるため、通常は返信チャンネルと返信先のターゲットID(自モジュールのデバイスID)をペイロードに含めて送信し、受信側の外付けMCUでそれをデコード、返信処理を実施することになります。 ACK処理のアプリケーション開発者による実装方法に関して詳しくはサポートサイトページ(https://support.dragon-torch.tech/887/)を参照してください。 ### 4.3 ブロードキャスト送信 ブロードキャスト送信は、送信時のターゲットアドレスに「0xFFFF」を指定するのみで実現できます。受信側はいずれのデバイスIDが付与されたものであっても、ブロードキャストアドレスであれば、LoRa通信パラメータ(BW、SF)、チャンネル、および、通信暗号キーが一致している限り、そのパケットは受信されます。送信した自モジュールが受信することはありません。電波到達の影響によって受信可能な機器は変化するため、アプリケーションの設計者はこのブロードキャスト送信によってすべてのモジュールにパケットが到着することは保証することはできません。ブロードキャスト送信に対してもユニキャスト同様にACKによる確認応答パケットを用いることは可能ですが、送信したパケットは複数のモジュールに同時に受信されるため、単純な設計と実装ではACKパケットの返信タイミングが重複して混信の発生リスクが高くなります。ブロードキャストにおけるACKを利用する場合は設計者による慎重な設計を推奨します。 送信モジュールの宛先アドレスをブロードキャストアドレスである0xFFFFに設定し、チャンネルを0x04に設定した場合、この送信パケットは、受信チャンネル0x04に設定されたすべてのモジュールが受信する可能性があり、ブロードキャスト送信が実現できます。 トランスペアレント(透過)送信モードの場合、自モジュールのデバイスIDを0xFFFFと設定することで、自モジュールと同じ待ち受け周波数チャンネルに設定されたすべてのモジュールが送信パケットを受信する可能性があります。 ### 4.4 モニターアドレスによる受信 本モジュールには、自モジュールのデバイスIDを「0xFFFF」と設定することでLoRa通信パラメータ(BW、SF)とチャンネル、および、通信暗号キーが一致するすべてのターゲットアドレス宛パケットを収集することができるモニターアドレスを活用できます。 モニターアドレスは、調査やデバッグ目的の他、アプリケーションによって、設計や実装を容易にすることを支援します。モニターアドレスの活用は受信頻度が多くなり、MCUなどの処理量・時間が増加することに注意してください。特にバッテリーアプリケーションではその影響は大きくなる可能性があります。 モニター受信モジュールのアドレスを0xFFFFに設定し、チャンネルを0x04に設定します。チャンネル0x04ですべてのモジュールから送信されたデータを受信でき、モニターが実現できます。 --- ## 5 オペレーション方法 本セクションでは、実際のE220-900T22S(JP)の、マイコン(MCU)やシングルボードコンピュータ(SBC)から、UARTやGPIO端子を利用して操作する方法と手順を説明します。 このセクションで使用するハードウェアは、典型的な配線が行われた回路を想定し、MCUとLoRa通信モジュール間を、UART(TXD, RXDをクロス接続)、M0、M1をMCUの出力ピン、AUXをMCUのピン状態変化の割り込みに対応した入力ピンに接続し、電源(VCCまたはVDD)とGND(AGND)ピンを接続しているものと想定します。以下、説明では、主要部分、注目情報以外は省略して表記しています。 ### 5.1 利用手順概要 E220-900T22S(JP)は、送信と受信の兼用のモジュールで、各個体に使用用途の区別はありません。設定や設計者による設計意図、アプリケーションによって、振る舞いや特性を付けて使用することができます。 モジュールへの給電後は、リセット動作を待ち、M0、M1ピンを、いずれもHighレベルに保持(コンフィグレーションモード)します。このモードは、LoRaモデムや電力増強アンプは停止状態にあり、最も消費電力が小さい状態(DeepSleep)です。 続いて、いくつかのレジスタを操作します。設定値を保持するレジスタは設定後、給電停止後も値は不揮発メモリに保存されます。また、設定値は通信暗号キー以外読み出し操作がコマンドによって可能です。コンフィグレーションモードにおいては、UARTのボーレートは9600bpsに固定されており、レジスタ0x02でUARTのボーレート設定を変更しても、コンフィグレーションモードにおいては、ビットレートを常に9600bpsとして使用します。 設定が完了したら、M0、M1ピンを操作します。最もシンプルな使用方法は受信待機です。M0, M1ピンをLowレベルに切り替えて保持し、LoRaモデムが受信待ち受け状態となります。このとき、AUXピンはHighレベルを出力しており、通常の待ち受け時はこの状態です。この状態で、自モジュールが受信すべきLoRaパケットを受信したら、その直後にAUXピンはLowレベルに遷移し、UARTのTXDピンから一定時間(デフォルトでは約2ms)後に受信パケットの内容が出力されます。MCUでは、MCUのRXDからのデータ読み取りをすることでモジュール内部の受信バッファから、MCUへデータを読み込めます。モジュールから出力されたデータは自動的にモジュールの受信バッファから消去されるため、再度同じ受信パケットを読み込むことはできません。 LoRaパケットの送信を行いたい場合は、通常の送信では、受信待ち受け状態において、外付けMCUのTXDから、本モジュールのRXDへ、ターゲットアドレス、ターゲットチャンネル、ペイロードを連続して送信することで送信を実行します。 本モジュールでは、パケット送信の内部処理の違いから、2種類の送信モードを提供します。トランスペアレント(透過)送信モードは、設定された最大長に自動的にパケット分割を行いながら連続した複数のパケットとして送信されるモードです。パケットの区切りやパケット損失の発生を設計者がアプリケーションの実装によって判断や考慮ができる場合は、このトランスペアレント(透過)送信モードを使用できます。初期設定状態ではこのモードで動作します。もう一方の、通常送信モードは、設計者によってパケットの長さが決められる送信モードです。パケットの区切り(つまり、サイズ)を、設計者がアプリケーションの都合で調整します。設計者がレジスタ設定にて切り替えて使用の選択が可能です。 通常送信モードにおける、パケットの送信区切りは、MCUからUARTによりデータを受信した際、一定時間(およそ4byte分以上)データが到着しない状態を検出し区切りとして判断し、1パケット分の送信データとしてまとめます。この「データが到着しない時間」である区切り時間は、0x02レジスタのボーレート設定に応じて下表の通り計算されます。高速のボーレート(38,400 bps以上)では、区切り時間が2msで一定となっていますが、システムの処理能力による最小の検出可能な間隔を反映し記載しています。 UARTのボーレートが9600bpsを使用している場合は、最後にモジュールのRXDからデータの受信後5ms経過後にデータの区切りと自動的に判断され、モジュールは送信処理を行います。 通常送信モードでは、1パケットのペイロードは(ターゲットアドレス、ターゲットチャンネルの3バイトを除いた)、197バイトを上限として、それ以下の長さのデータを送信時に指定できます。ターゲットアドレス、ターゲットチャンネルおよびペイロードを含めたデータが内部送信バッファに格納されます。**データサイズが200byteを超えた場合、超えた分のデータも内部バッファに格納されますが、超えたデータの先頭から順に次の送信データのターゲットアドレス、ターゲットチャンネルとして解されるため、意図したターゲットへの送信になりません。** **トランスペアレント送信モードの場合は、ペイロードサイズが200byteを超えた場合でも、超えた分のデータは次のパケットの送信データとして送信されます。** **表 ボーレート設定毎のデータの区切り時間** | ボーレート | 区切り検出時間 | |---|---| | 1,200 bps | >30ms | | 2,400 bps | >15ms | | 4,800 bps | >8ms | | 9,600 bps | >5ms | | 19,200 bps | >3ms | | 38,400 bps | >2ms | | 57,600 bps | >2ms | | 115,200 bps | >2ms | ### 5.2 リセット動作 モジュールに電力が供給されると、AUXはすぐにLowレベルを出力し、ハードウェアのセルフチェックを実行し、設計者の不揮発メモリに保存されたレジスタ設定パラメータに基づいて動作モードを設定する動作を開始します。この動作中は、AUXはLowレベルのままです。この動作が完了すると、AUXはHighレベルを出力し、M1とM0を組み合わせによって設定された動作モードに従って動作を開始します。したがって、設計者はモジュールの通常の動作の開始としてAUXの立ち上がりエッジを待つ必要があります。 この動作は、通常、僅かな時間で完了するため、起動後100ms程度の十分な待機時間を設けることで、AUXの確認をおこなうだけの処理に置き換えても一般的には差し支えありません。厳密で、無駄のない動作を実現するためには、AUXピンを監視してください。 ### 5.3 モード選択(M1, M0ピン) M1とM0によって設定される4つの動作モードがあります。 | Mode (0-3) | M1 | M0 | 機能説明 | |---|---|---|---| | mode 0: (通常送受信) | 0 | 0 | 通常のデータ送受信が可能です。デフォルトでは通常送信モードが有効になります。 | | mode 1: (WOR送信) | 0 | 1 | 送信前にWOR受信モードのデバイスをウェイクアップさせるためのプリアンブル(preamble) が自動的に追加されます。通常のデータ受信が可能で、受信機能はmode 0と同じです。WOR機能をサポートします。 | | mode 2: (WOR受信) | 1 | 0 | 送信機能はオフになります。WOR送信モード (mode 1)で送信されたデータのみ受信可能です。 | | mode 3: (Configuration/DeepSleep) | 1 | 1 | コマンドでパラメータを設定することができます。このモードでのUART操作のUARTパラメータは固定されており、レジスタ設定に影響を受けず、baud rate=9600, parity=8N1で行う必要があります。 | WOR送受信を使用しない場合は、M1、M0ピンは、同時にHigh、または、Lowに設定することで、MCUなどのI/Oピンを節約することが可能です。 また、レジスタの設定値は、モジュール内の不揮発メモリに記憶されるため、(あらかじめ設定を行ったような)設定済みのモジュールにおいては、M1とM0ピンをLowに固定しておけば、(M1とM0ピンを操作せず)、通常送受信モード(mode 0)に固定して使用することも可能です。その場合でも、AUXピンは、必要に応じて使用してください。 **モード切り替え動作の補足** - 設計者は、M1とM0をHighレベルとLowレベルを組み合わせて、動作モードを決定できます。MCUの2つのGPIOを使用して、モード切り替え制御が可能です。 - M1とM0の電圧レベルを変更した後、モジュールがアイドル状態 (AUX=High) の場合は、1ms後、指定した新しいモードに従って動作を開始します。 - モジュールのシリアルポートデータがLoRaモデム経由にて送出されている場合は、その送出完了後に、指定した新しい動作モードに切り替わります。 - モジュールがLoRaパケットを受信し、シリアルポートを介してデータを送出する場合、新しい動作モードに切り替える前に送信を完了する必要があります。したがって、モード切り替えは、AUX出力がHighレベルの場合にのみ有効になります。それ以外の場合は、モードの切り替えは遅延します。 - 設計者によって大量のデータを継続的にモジュールへ入力し、同時にモード切り替えを実行した場合、この時点では、モードの切り替えは無効です。モジュールは、新しいモードの検出と切り替えを実行する前に、すべてのデータを処理します。したがって、一般的に推奨される手順としては、AUXピンの出力状態を検査し、出力がHighレベルになってから2ms後に切り替えることが安全です。 - モジュールが他のモードからスリープモードに切り替えられたとき、データがまだ処理されていない場合、モジュールはスリープモードに入る前に、これらのデータ(受信と送信を含む)を処理します。この機能は、電力を節約する高速スリープに使用できます。 - どのようなモード切り替えでもこのMCU動作節約の恩恵を受けることが可能です。モジュールが現在のモードでのイベントを処理した後、1ms内で自動的に新しいモードに入ります。 - ただし、消費電力削減のために本モジュールへのUART送信終了後に給電を断つ場合には、モジュール内部処理の終了を待つために、AUXピンがアイドル状態(Highレベル)になるのを待つか、内部処理(ワイヤレス送信)終了のための十分な時間をとる必要があります。 **通常送受信(mode 0)**:M0=0, M1=0。送信: MCUはシリアルポートを介してデータを入力でき、送信バッファにデータが存在している場合、モジュールは通常の送信を開始します。受信: モジュール内の受信機能が常時オンになり、LoRa無線通信によるデータパケットを受信した後、シリアルポートのTXDピンから出力されます。WORプリアンブルが付与されたWOR送信パケットも受信可能です。コマンド操作: 有効。 **WOR送信(mode 1)**:M1=0, M0=1。送信: LoRaワイヤレスデータ送信が有効となり、送信バッファにデータが存在している場合、モジュールはWOR送信を開始します。WOR送信では、通常の送信パケットの前に、プリアンブル送信を行い、WOR受信(mode 2)で待機しているモジュールをウェイクアップさせることができます。受信: ワイヤレスデータ受信が常時オンとなり、mode 0の受信動作と同様。コマンド操作: 有効。 **WOR受信(mode 2)**:M1=1, M0=0。送信: ワイヤレスデータ送信がオフとなります。シリアル通信を介して書き込まれたデータはすべて破棄されます。受信: WORサイクル時間の設定によって、大半の時間はDeepSleepした状態となり、ワイヤレスデータ受信はオフとなりますが、このサイクル時間によって周期的にオンとなりWOR送信プリアンブルを監視します。コマンド操作: 行えません(すべて破棄)。 **Configuration/DeepSleep (mode 3)**:M1=1, M0=1。送信: オフ。受信: オフ。設定: 設計者は設定レジスタにアクセスして、モジュールの機能・動作パラメータを設定できます。コマンド操作: 有効。注釈: このモード(mode 3)から他のモードに移行すると、このモードで設定したパラメータが反映されます。設定変更のプロセス中、AUXはHighレベルからLowレベルに遷移し、反映完了後、Highレベルに戻ります。 ### 5.4 補助出力の利用(AUX信号) AUXピン(Auxiliary Pin)は、本モジュールの動作状態を示す出力ピンです。主な機能と利用方法は以下の通りです。 1. **動作状態の表示**:Highレベル: モジュールがアイドル状態であることを示します。Lowレベル: モジュールが作業中(送信または受信中)であることを示します。 2. **送信完了の通知**:データ送信が完了すると、AUXピンがLowレベルからHighレベルに変化します。これにより、マイコンは送信完了のタイミングを正確に把握できます。 3. **受信バッファの状態**:受信バッファにデータがある場合、AUXピンはLowレベルになります。バッファが空になると、Highレベルに戻ります。 4. **モジュールの初期化完了の通知**:電源投入時やConfig/Deep sleepモードからの復帰時、初期化が完了するとAUXピンがHighレベルになります。 **AUXピンの利用方法**:MCUの割り込み入力として接続します。モジュールがLoRaパケットを受信したら、その直後にAUXピンはLowレベルに遷移し、UARTのTXDピンから2~3ms後に受信パケットの内容が出力されます。AUXピンをMCUの割り込み入力として接続することにより、MCUがSleepしていてもAUXピンの割り込みにより起こしてから、データを受信することができます。 ただし、深いスリープ動作などで一部のMCUでSleep復帰などに要する時間が、この2ms以上を要する場合など、UARTの受信処理開始に間に合わない場合は、データを取りこぼす可能性があります。 ### 5.5 送受信バッファ(モジュール内バッファ) **MCUから本モジュールへのUART入力時の内部送信バッファに関して**:MCUからのUART入力データをそのまま内部送信バッファに格納します。内部送信バッファへのデータ格納に関して、400byteのバッファサイズがあります。固定送信モードの場合、MCUからの入力された宛先情報(3byte)とペイロード(最大197byte)が格納されます。 **本モジュールがLoRa受信時の内部受信バッファに関して**:LoRa受信したデータが内部受信バッファにそのまま格納されます。内部受信バッファへのデータ格納に関して、400byteのバッファサイズがあります。固定送信モードで送信されたデータを受信した場合、受信ペイロード(最大197byte)とRSSI(1byte)が格納されます。 --- ## 6 オペレーションモード(マイコンからの操作方法を中心に解説) 本製品は、設定、送受信など動作モードによって、利用できる機能と振る舞いをモード切り替えによって選択して使用します。動作モードの決定は、外部から2つの信号線M1とM0ピンのHigh, Lowの2値信号レベルで設定します。一般に、M1とM0をHighレベルとLowレベルを組み合わせて、動作モードを決定するため、MCUの2つのGPIOを使用してモード切り替え制御が可能です。単純な使用方法に限定する場合は、M1、M0を単一のGPIO端子から、同値に制御して軽量な設計、および、使用方法を採用することも可能です。 M1, M0の各ピンは、モジュール内部においてプルアップに保持されており、外部から信号を加えない限りにおいては、M1=High, M0=Highの状態で、Config/DeepSleep(mode 3)となります。 ### 6.1 通常送受信モード(mode 0) < M1=Low, M0=Low > M1=Low, M0=Lowとしたとき通常送受信モード(mode 0)となります。(後述のWOR機能を使用せず)通常の送受信を行う場合は、一般にこのモードを使用します。 送信時の命令は、MCU(TXD)からシリアルポートを介して本製品(RXD)へデータを入力でき、モジュールは入力バイト列の情報に従って、自動的にワイヤレス送信を開始します。受信時には、モジュールが無線データを受信した後、シリアルポート(TXD)を介してMCU(RXD)へ出力されます。また、受信データをMCUへ出力する前に、6.9節で後述するAUXピン動作により、MCUへ割り込みをかけることができます。 ### 6.2 WOR送信モード(mode 1) < M1=Low, M0=High > M1=Low, M0=HighとしたときWOR送信モード(mode 1)となります。8.6節で後述するWOR通信における、送信側として動作するためのモードになります。 送信時の命令は通常送受信モードと同じで、MCU(TXD)からシリアルポートを介して本製品(RXD)へデータを入力でき、モジュールは入力バイト列の情報に従って、自動的にワイヤレス送信を開始します。この際、WOR通信におけるプリアンブルが付加されます。また、受信時には、通常送受信モードと同じく、モジュールが無線データを受信した後、シリアルポート(TXD)を介してMCU(RXD)へ出力されます。また、AUXピン動作により、MCUへ割り込みをかけることができます。 ### 6.3 WOR受信モード(mode 2) < M1=High, M0=Low > M1=High, M0=LowとしたときWOR受信モード(mode 2)となります。8.6節で後述するWOR通信における、受信側として動作するためのモードになります。 このモードでは、データ受信のみ動作し、データ送信は行うことができません。MCU(TXD)からシリアルポートを介して本製品(RXD)へデータを入力しても、入力信号は破棄されます。受信時には、通常送受信モードと同じく、モジュールが無線データを受信した後、シリアルポート(TXD)を介してMCU(RXD)へ出力されます。また、AUXピン動作により、MCUへ割り込みをかけることができます。 ### 6.4 Config/DeepSleepモード(mode 3) < M1=High, M0=High > M1=High, M0=HighとしたときConfig/DeepSleepモード(mode 3)となります。第9章で後述するレジスタに対して、6.8節で説明するコマンド送受信の方法により、パラメータセットを行うためのモードになります。また、このモードではモジュール内部の無線チップの動作がオフとなりデータ送受信ができなくなりますが、最小の待機消費電力で動作するDeepSleep状態となります。 ### 6.5 オペレーション 通常送受信モード(mode 0) / WOR送信モード(mode 1)において、データ送信、データ受信、コマンド送受信が可能ですが、レジスタ読み取り操作などはできません。 また、(実用上問題となることは希ですが)、トランスペアレント(透過)送信モードにおいては、送信ペイロードにコマンド列に解釈されるバイト列が含まれる場合で、かつ、送信処理の読み取り開始に該当する箇所(送信サブパケット長で指定された、ペイロード区切り箇所)の開始位置にコマンドの開始バイト列「0xC0, 0xC1, 0xC2, 0xC3」が現れた場合に限って、これと、これに続くパラメータ部がコマンドとして解釈されます。通常送信モードにおいては、送信時指定のチャンネル値(3バイト目の0xC2)として、これに合致するチャンネルは存在しないため、重複することは発生しません。 また、データ受信時に、MCUをウェイクアップさせるためのAUX立ち下がりからUART送信までの待機時間は2~3msで固定となります。 ### 6.6 データ送信 データ送信および受信を行う際には送受信双方ともモジュールのLoRa変調の設定を合わせておく必要があります。すなわち、第9章の設定レジスタの中の、0x02レジスタのAirDataRate設定を送信側、受信側で同一設定にする必要があります。第9章の設定レジスタの中の、0x03レジスタのペイロード長設定でセットした長さが、1つのパケットの最大ペイロード(ユーザが任意のバイト列を載せられる領域)のサイズとなります。また、第9章の設定レジスタの中の、0x05レジスタの送信方法設定により、次の2つの送信モードで動作させることができます。 - **通常(Fixed-block)送信モード**:4.2節で説明した宛先デバイスを指定した通信を行う通常(Fixed-block)送信モードです。このモードでは送信時の、MCU(TXD)からのシリアルポートを介して本モジュール(RXD)へデータを入力する際に、ペイロードデータの前に宛先デバイスアドレス(2byte)と宛先デバイスの待ち受け周波数チャンネル(1byte)の情報を付加して、宛先デバイスを指定する必要があります。(この送信モードでは、必ず送信時に周波数チャンネルの指定を行います) - **透過(Transparent)送信モード**:第9章の設定レジスタの中の0x00, 0x01レジスタでセットしている自身のデバイスアドレスおよび、0x04レジスタでセットしている自身の待ち受け周波数チャンネルと同じ設定をした、他のモジュールに向けてデータ送信を行うことができます。このモードでは、ペイロードデータの前に宛先情報を付加する必要はなく、ペイロードデータだけをMCU(TXD)からシリアルポートを介して本モジュール(RXD)へ入力することでデータ送信することができます。 ### 6.7 データ受信 受信時には、モジュールが無線データを受信した後、シリアルポート(TXD)を介してMCU(RXD)へ出力されます。 ### 6.8 コマンド送受信 レジスタ0x03のRSSI環境ノイズ出力を有効化したとき、通常送受信モード(mode 0) / WOR送信モード(mode 1)において、コマンドによって、現在の環境ノイズと前回のデータ受信時RSSIの応答を取得できます。現在の環境ノイズはアドレス0x00から、前回のデータ受信時のRSSIはアドレス0x01から読み出すことができます。このとき、Reg Start addr(読み出し開始アドレス)は0x00しか指定することができません。Read length(読み出し数)は、現在の環境ノイズのみ取得する場合は0x01を、現在の環境ノイズと前回のデータ受信時RSSIを取得する場合は0x02を指定してください。 ### 6.9 AUXピン動作 本モジュールのAUXピン(出力)は、ワイヤレス送信予定の未送信データがあるかどうか、すべてのワイヤレスデータがUARTを介して送信されているかどうか、また、モジュールが通電直後の初期化、もしくは、モード切り替え中などのセルフチェックの過程にあるかどうかのインジケータとして使用できます。データ送信時およびデータ受信時の内部バッファにデータがあるかどうかをAUXの状態で表します。 受信された全ての無線データを、TXDからMCUへ送信完了したタイミングで、AUXはHighレベルになります。この時、内部受信バッファが空になっていることを表します。また、AUXピンは無線データ受信時にMCUをウェイクアップするための割り込みピンとして使用することもでき、AUXがLowレベルに落ちてから、TXDから受信無線データをMCUへ送信し始めるまでの間に、2~3msの間、Lowレベルにした後TXDからMCUへデータを送信します。 MCUが本モジュールへ送信データを入力し、そのデータが内部送信バッファに格納され、内部送信バッファが空ではないときAUXがLowになります。内部送信バッファのデータを無線チップに書き込み終わり内部送信バッファが空になったタイミングで、AUXはHighレベルになります。 また、電源投入時のリセットおよびConfig/DeepSleepモード(mode 3)から他の動作モードへの移行時に、ハードウェアのセルフチェックが実行され、その動作はAUXのLow状態で表されます。この動作中、AUXはLowレベルのままです。このプロセスが完了すると、AUXはHighレベルを出力し、M1とM0の組み合わせによって設定された動作モードに従って動作を開始します。 --- ## 7 基本的な使用方法 ### 7.1 設定コマンドと送信までの一連の流れ 本モジュールのレジスタへのパラメータ設定をするに当たり、Config/DeepSleepモードにするために、M1、M0ピンに接続しているMCUのGPIOピンを両方ともHighにします。 **Arduinoでの擬似コード** ``` // E220-900T22S(JP)へのピンアサイン #define LoRa_ModeSettingPin_M0 12 #define LoRa_ModeSettingPin_M1 13 pinMode(LoRa_ModeSettingPin_M0, OUTPUT); pinMode(LoRa_ModeSettingPin_M1, OUTPUT); digitalWrite(LoRa_ModeSettingPin_M0, 1); digitalWrite(LoRa_ModeSettingPin_M1, 1); ``` 10.1節のレジスタ書き込みコマンドに基づき、UARTからコマンドバイト列を送信します。ここでは例として、モジュールに対して以下の設定を一括で書き込む場合を述べます。 ``` ・自デバイスアドレス=0 ・baud_rate=9600bps ・bw=125kHz ・sf=9 ・ペイロード長=200byte ・RSSI環境ノイズ=有効 ・送信出力=13dBm ・待ち受け周波数チャンネル=0 ・RSSIバイトの出力=有効 ・送信方法=通常(Fixed-block)送信モード ・WORサイクル=500ms ・暗号化キー=0 ``` このとき、送信バイト列は以下となります。 ``` ['0xc0', '0x00', '0x08', '0x00', '0x00', '0x70', '0x21', '0x00', '0xc0', '0x00', '0x00'] ``` また、コマンドのレスポンスバイト列としてレジスタ設定値が以下の通り返ってきます。 ``` ['0xc1', '0x00', '0x08', '0x00', '0x00', '0x70', '0x21', '0x00', '0xc0', '0x00', '0x00'] ``` 以上により本モジュールのレジスタへのパラメータ設定ができたので、次はLoRa送受信について述べます。通常送受信モードにするために、M1、M0ピンに接続しているMCUのGPIOピンを両方ともLowにします。 レジスタ設定にて送信方法として通常(Fixed-block)送信モードを指定したので、ペイロードデータの前に宛先デバイスアドレス(2byte)と宛先デバイスの待ち受け周波数チャンネル(1byte)の情報を付加して、宛先デバイスを指定する必要があります。ここでは例として、以下の宛先とペイロードデータを送信する場合を考えます。 ``` ・宛先デバイスアドレス=10 ・宛先デバイスの待ち受け周波数チャンネル=5 ・ペイロードデータ= ['0x68', '0x65', '0x6c', '0x6c', '0x6f'] ("hello") ``` このとき、送信バイト列は以下となります。 ``` ['0x00', '0x0A', '0x05', '0x68', '0x65', '0x6C', '0x6C', '0x6F'] ``` また、受信側ではレジスタ設定にてRSSIバイトの出力を有効にしているため、受信モジュールから出力されるバイト列として、ペイロードデータとRSSIバイトが含まれます。上記の送信データを受信して、RSSIバイトを含めた受信バイト列は以下のようになります。RSSIバイトのdBm換算式(dBm = RSSIバイト-256)から、RSSIバイトの0xA0は160-256=-96dBmと計算されます。 ``` ['0x68', '0x65', '0x6C', '0x6C', '0x6F', '0xA0'] ``` 通常送受信モードにて、待ち受け周波数チャンネルの環境ノイズ計測および前回受信時RSSIについて確認するコマンド操作例を示します。コマンド発行時に環境ノイズと前回受信時RSSIをRSSI値として取得できます。6.8節の環境ノイズと前回受信時RSSI取得コマンドに基づき、UARTからコマンドバイト列を送信します。 ``` ['0xC0', '0xC1', '0xC2', '0xC3', '0x00', '0x02'] ``` コマンドのレスポンスバイト列として以下の通り返ってきます。この例では、環境ノイズRSSIを-110dBm、前回受信時RSSIを-97dBmとして示しています。 ``` ['0xC1', '0x00', '0x02', '0x92', '0x9F'] ``` --- ## 8 無線通信(ハードウェア・無線技術を中心に解説) ### 8.1 LoRa変調パラメータ LoRaスペクトラム拡散方式で変調する際に、そのパラメータとしてBW(Bandwidth:変調帯域幅)とSF(Spreading Factor:拡散係数)があります。BWは、信号が占める周波数の幅を指します。本モジュールでは帯域幅として、125 kHz、250 kHz、500 kHzが使用できます。BWを狭くするほど、データレートが低くなり、通信速度が低下しますが、受信感度が向上します。SF値は、LoRaスペクトラム拡散変調におけるチャープ信号の持続時間を決定するパラメータ値で、本モジュールではSF値:5からSF値:11の範囲で設定できます。SFの値が増加するにつれて、データレートが低下しチャープ信号の送信時間が長くなりますが、信号の冗長性が高まりノイズに対する耐性が向上することで、より長距離の通信が可能になります。 ### 8.2 AirTimeとAirBitRate LoRaパケットのフレーム構造は、プリアンブル部、ヘッダー部、ペイロード部(本モジュールでのユーザペイロードの最大200バイトを含む)、ペイロードCRC部で構成されます。ヘッダー部はペイロードに関する情報を提供し、バイト単位のペイロード長、前方誤り訂正符号化率CR(Coding Rate)、ペイロードに対するオプションの16ビットCRCの有無について含まれています。LoRa通信では、ヘッダーの扱い方に関して2つのモードがあります。 - 明示的ヘッダーモード:上記のヘッダー情報がパケットに追加されます。このモードは柔軟性が高く、受信側がパケットの内容を正確に解釈できるため、一般的に使用されます。 - 暗黙的ヘッダーモード:ヘッダー情報がパケットに含まれず、送受信側で事前に取り決めたパラメータを使用します。このモードはパケットサイズを小さくできますが、柔軟性は低くなります。 本モジュールでは、より汎用的で信頼性の高い通信を実現するため、明示的ヘッダーモードを採用しています。 LoRa電波送信時間ToA(Time on Air)は次式で計算されます。 - ToA:送信時間(単位はms) - SF:拡散率 - BW:帯域幅 - N_symbol:シンボル数 シンボル数の計算は変調のパラメータによって異なり、SF値:5およびSF値:6の場合と、その他のSF値の場合とで計算式が異なります。ここで、N_symbol_preamble:プリアンブルのシンボル数、N_byte_payload:ペイロード長(byte)、N_bit_CRC:CRCが有効な場合は16、無効の場合は0 (本モジュールは有効)、N_symbol_header:明示的ヘッダー有効モードは20、無効の場合は0(本モジュールは有効)、CR:1から4の整数値(実際の値はLoRa変調パラメータにおけるCode Rateの4/5, 4/6, 4/7, 4/8に1〜4の値が対応。本モジュールはCode Rate 4/5 を使用しており、CRは1として計算される)。 **表 SF値(拡散率)と、BW(帯域幅)による送信所要時間(ペイロード200byteの最大時、単位:ms)** | BW(帯域幅) [kHz] | SF5 | SF6 | SF7 | SF8 | SF9 | SF10 | SF11 | |---|---|---|---|---|---|---|---| | 125 | - | 196.928 | 299.136 | 488.704 | 813.568 | 1,381.376 | - | | 250 | - | 99.744 | 152.128 | 249.472 | 417.024 | 711.168 | 1,238.016 | | 500 | - | 50.512 | 77.344 | 127.296 | 213.632 | 365.824 | 639.488 | (注:500kHz行のSF11は1,115.136msの値が別途原表に記載されています。) また、本モジュールがシリアルポートから受け取った送信データをLoRa変調する速度(Rb:変調速度(bps))は、SF・BW・CR(4/5, 4/6, 4/7, 4/8をとり、本モジュールでは4/5)から計算されます。実際に送信できるデータ量(実効データレート)は、この計算式で得られる理論値よりも低くなります。これは、プリアンブルやヘッダー、エラー訂正のオーバーヘッドが存在するためです。 **表 SF値(拡散率)と、BW(帯域幅)によるLoRa変調ビットレート(単位:bps)** | BW(帯域幅) [kHz] | SF5 | SF6 | SF7 | SF8 | SF9 | SF10 | SF11 | |---|---|---|---|---|---|---|---| | 125 | 15,625 | 9,375 | 5,469 | 3,125 | 1,758 | - | - | | 250 | 31,250 | 18,750 | 10,938 | 6,250 | 3,516 | 1,953 | - | | 500 | 62,500 | 37,500 | 21,875 | 12,500 | 7,031 | 3,906 | 2,148 | ### 8.3 受信感度および送信電力と通信距離 BW・SFと、LoRa変調された電波の受信感度について、受信感度Sは、BW(周波数チャンネルの変調帯域幅、Hz)、NF(受信機の雑音指数、dB。本モジュールのLoRaモデム(LLCC68)ではNF = 6 dB)、SNR(SN比、dB)から計算されます。SF値(拡散係数)に対応して受信可能なSNRに限界があり、この限界を超えると、受信機は信号を復調できなくなります。 **表 SFに対するSNRの限界値** | SF: Spreading Factor | SNR(dB) | |---|---| | 5 | -2.5 | | 6 | -5.0 | | 7 | -7.5 | | 8 | -10.0 | | 9 | -12.5 | | 10 | -15.0 | | 11 | -17.5 | 先の計算式より、BWを小さく、SFを大きくするほど受信感度が向上します。E220-900T22S(JP)/22L(JP)で設定できるパラメータで計算すると以下になります。 **表 BW、SF値の設定と受信感度の関係** | パラメータ | 受信感度 | |---|---| | BW:125kHz SF:9 | -129.53 dBm | | BW:250kHz SF:10 | -129.02 dBm | | BW:500kHz SF:11 | -128.51 dBm | 送信電力と通信距離については、13.2節の通信可能距離にて記載の関連情報も併せて参照してください。 ### 8.4 キャリアセンス動作 本モジュールは電波法の規則に則り、送信前に短時間のキャリアセンスを行います。電波送信を開始する前に送信周波数チャンネルの環境ノイズ強度が-80dBmを下回る状態が5ms継続した状態であれば、電波送信を開始するようになっています。 > **ver.1.5補足**:ver.1.5では、強い電波干渉が続きキャリアセンスが正常に終了しない事態を避けるため、キャリアセンス継続時間に5秒のタイムアウトが追加されています。タイムアウトが発生した場合、該当の送信パケットは破棄されます(詳細は1.5節および別紙差分ドキュメントを参照)。 ### 8.5 暗号通信 レジスタ0x06と0x07にて設定した、16ビットを通信暗号キーとして設定することができ、本モジュール(22S、22L)によるワイヤレスデータの傍受を回避するための暗号化に使用されます。モジュールは、これらの2バイトを計算係数として使用して、ペイロードデータを変換および暗号化します。送受信するモジュール間では、通信暗号キーに同一の値を設定する必要があります。 ### 8.6 WOR通信 本モジュールのWOR機能は、受信電力の大幅な削減を目的として実装されています。 WOR受信においては、8mAの消費電流を費やす僅かな時間の受信アンプ動作と、5uAの待機電流による長い待機動作の組み合わせ動作を繰り返すことで、平均消費電流を大きく削減します。レジスタ0x05のWORサイクル設定値によって、待機動作の動作時間比率が変わります。WOR送信は、このWOR受信状態での動作比率の内、受信アンプ稼働時間内にWORプリアンブルが受信できるように送信パケットにプリアンブルが追加され、送信します。結果として、プリアンブル分の電波発射時間が長くなり、送信側において余分な電力を消費します。また、WORサイクル設定が適切である限りにおいては、送信側での送信タイミングは気にする必要はありません。WORの設定パラメータが送信側・受信側で同じでない場合、WOR送信プリアンブルと、受信アンプの動作周期がかみ合わなくなり、パケット送達の確立が、低下、不安定になるため、使用時の設定には注意してください。 WORの利用で、電力消費の負担のトレードオフが、受信側と送信側で逆転します。一般に、通常基地局など(商用電源などからの給電など)待受電力の余裕を前提とされますが、WOR機能により受信側の待ち受け電力を抑制した使用方法が可能となります。逆に送信側は、送信時にプリアンブル送出分の送信電力が余分に必要で、送信頻度が多いアプリケーションには不向きです。WOR機能は、めったに受信しない機器の待ち受け電池寿命を延ばしたい場合に最適です。 WOR送信時、プリアンブルが伝搬空間帯域を占有することになるため多量のWOR送信は電波空間の利用効率が下がります。また、920MHz電波法規定により、送信時間が400ms制限の規定があるアッパー周波数チャンネル923.5 MHz~928.0MHzの範囲では、プリアンブル送信にかかる時間が制限を超えてしまうため、WORモードを使用することはできません。 ### 8.7 環境ノイズモニタリング レジスタ0x03のbit5を1に設定することで、環境ノイズモニタリング機能が有効になり、モジュールの待受周波数チャンネルの環境ノイズ強度(dBm)をコマンドにより取得することができます。コマンド操作による方法は第10章を参照してください。 --- ## 9 コンフィグレーション 本モジュールの挙動は、すべて設定レジスタを操作することで行います。 > **注記(ver.1.5)**:ver.1.5で追加された「送信結果判定用フラグ」に関するレジスタビット・取得コマンドは、本データシート第9・10章のレジスタマップ表には個別掲載されていません(本文書のレジスタマップはver.1.0/1.2と共通の記載内容です)。当該フラグの参照方法は、当社が別途提供する差分ドキュメントを参照してください。 ### 9.1 設定レジスタ 設定レジスタは1バイト単位でアクセスすることが可能で、各バイトには、レジスタアドレス(address)が付与されており、それを指定して内容を書き換えます。レジスタのバイト毎に、Read/Write、もしくは、ReadもしくはWriteのいずれかが可能であり、また、揮発(volatile)、不揮発(non-volatile)の属性を持ちます。不揮発(non-volatile)属性のレジスタは、1度レジスタ値を書き込むと、給電を断った後も、内容を保持しますが、揮発(volatile) 属性のレジスタは、給電を断つとその内容は初期値や、規定値にリセットされます。第10章で説明する書き込みコマンドによってレジスタ値を書き換えた場合、書き込みコマンドのレスポンスとしてレジスタ値が返ってくるため、その値から正しい値が書き込まれ保持されていることを検査することが可能です。 **設定レジスタマップ 0x00, 0x01, 0x02** | Address | Read/Write | 詳細 | 注釈 | |---|---|---|---| | 00H: ADDH | Read/Write, non-volatile | デバイスアドレス上位バイト (default 0) | デバイスアドレスは符号なし16bit値です。 | | 01H: ADDL | Read/Write, non-volatile | デバイスアドレス下位バイト (default 0) | | | 02H: REG0 | Read/Write, non-volatile | bit7-5: UART Serial Port Rate(bps)。bit4-0: Air Data Rate | Config/DeepSleepモード(mode 3)においては、この設定に依らず常に9600bpsとなります。 | **REG0 (0x02) UART Serial Port Rate(bit 7,6,5)** | bit7 | bit6 | bit5 | 設定値 | |---|---|---|---| | 0 | 0 | 0 | 1,200 bps | | 0 | 0 | 1 | 2,400 bps | | 0 | 1 | 0 | 4,800 bps | | 0 | 1 | 1 | 9,600 bps (default) | | 1 | 0 | 0 | 19,200 bps | | 1 | 0 | 1 | 38,400 bps | | 1 | 1 | 0 | 57,600 bps | | 1 | 1 | 1 | 115,200 bps | **REG0 (0x02) Air Data Rate(bit 4,3,2,1,0)** | bit4 | bit3 | bit2 | bit1 | bit0 | Air Data Rate(bps) | SF | BW(kHz) | |---|---|---|---|---|---|---|---| | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 15,625 | 5 | 125 | | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 9,375 | 6 | 125 | | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 5,469 | 7 | 125 | | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 3,125 | 8 | 125 | | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1,758 (default) | 9 | 125 | | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 31,250 | 5 | 250 | | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 18,750 | 6 | 250 | | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 10,938 | 7 | 250 | | 0 | 1 | 1 | 0 | 1 | 6,250 | 8 | 250 | | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 3,516 | 9 | 250 | | 1 | 0 | 1 | 0 | 1 | 1,953 | 10 | 250 | | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 62,500 | 5 | 500 | | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 37,500 | 6 | 500 | | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 21,875 | 7 | 500 | | 0 | 1 | 1 | 1 | 0 | 12,500 | 8 | 500 | | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 7,031 | 9 | 500 | | 1 | 0 | 1 | 1 | 0 | 3,906 | 10 | 500 | | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 2,148 | 11 | 500 | **設定レジスタマップ 0x03 (REG1)** Read/Write, non-volatile - bit7-6: ペイロード長:00=200byte(default)、01=128byte、10=64byte、11=32byte。1つのパケットの最大ペイロード(ユーザが任意のバイト列を載せられる領域)のサイズと定義。固定送信モードの場合、宛先情報の3byte分が最大ペイロード長が短くなります。 - bit5: RSSI環境ノイズの有効化:0=無効(default)、1=有効。有効にすると通常送受信モード(mode 0)またはWOR送信モード(mode 1)にて、いつでもコマンドで現在の環境ノイズと前回のデータ受信時RSSIの応答を取得できます。 - bit4-2: Reserved(0で固定のこと) - bit1-0: 送信出力:00=Not available、01=13dBm(default)、10=7dBm、11=0dBm **設定レジスタマップ 0x04 (REG2)** Read/Write, non-volatile。周波数チャンネルの指定:BW125kHzでは920.6~928.0MHz (200kHz間隔38波 CH:0~37)、BW250kHzでは920.7~927.9MHz (200kHz間隔37波 CH:0~36)、BW500kHzでは920.8~926.8MHz (200kHz間隔31波 CH:0~30) **設定レジスタマップ 0x05 (REG3)** Read/Write, non-volatile - bit7: RSSIバイトの有効化:0=無効(default)、1=有効。有効時、受信データを出力した後、続いてRSSIバイトを出力します。RSSIバイトのdBm換算は次式:dBm = RSSIバイト-256 - bit6: 送信方法:0=トランスペアレント送信モード(default)、1=通常(Fixed-block)送信モード - bit5-4: Reserved(0で固定のこと) - bit3: 低電圧動作の有効/無効切り替えフラグ:0=Enable(default)、1=Disable - bit2-0: WORサイクル:000=500ms、001=1,000ms、010=1,500ms、011=2,000ms(default)、100=2,500ms、101=3,000ms **設定レジスタマップ 0x06, 0x07, 0x08** | Address | Read/Write | 詳細 | 注釈 | |---|---|---|---| | 06H: CRYPT_H | Write, non-volatile | Key High Byte / 上位バイト(default 00H) | | | 07H: CRYPT_L | Write, non-volatile | Key Low Byte / 下位バイト(default 00H) | | | 08H: VERSION | Read, non-volatile | バージョン番号 v1.0 (10H)、v1.2 (12H) | 上位4bitでメジャーバージョン、下位4bitでマイナーバージョンを表します。原文表記のまま記載(ver.1.5固有のバージョン識別値は本文に明記されていません)。 | ### 9.2 周波数チャンネルと帯域幅一覧 - 周波数チャンネルが920.6MHz~923.4MHzの範囲(BW:125kHzでCH:0-14、BW:250kHzでCH:0-13、BW:500kHzでCH:0-12を選択した場合):1回の送信ごとの送信休止時間が50msとなるよう制御されます。 - 周波数チャンネルが923.5MHz~928.0MHzの範囲(BW:125kHzでCH:15-37、BW:250kHzでCH:14-36、BW:500kHzでCH:13-30を選択した場合): - 送信時間が400ms制限の規定があるため、レジスタでの設定値によらずサブパケット長が32byteに変更されます。また、プリアンブル送信にかかる時間が制限を超えてしまうため、WORモードは利用しないでください。 - 1時間あたりの送信時間総和が360秒以下の規定があるため、送信休止時間を送信時間の10倍となるように制御されます。 **表13 BW125kHzの場合の周波数チャンネル一覧** | CH番号 | 帯域幅[kHz] | 中心周波数[MHz] | 技適認証対応 22S | |---|---|---|---| | 0 | 125 | 920.6 | ✓ | | 1 | 125 | 920.8 | ✓ | | 2 | 125 | 921.0 | ✓ | | 3 | 125 | 921.2 | ✓ | | 4 | 125 | 921.4 | ✓ | | 5 | 125 | 921.6 | ✓ | | 6 | 125 | 921.8 | ✓ | | 7 | 125 | 922.0 | ✓ | | 8 | 125 | 922.2 | ✓ | | 9 | 125 | 922.4 | ✓ | | 10 | 125 | 922.6 | ✓ | | 11 | 125 | 922.8 | ✓ | | 12 | 125 | 923.0 | ✓ | | 13 | 125 | 923.2 | ✓ | | 14 | 125 | 923.4 | ✓ | | 15 | 125 | 923.6 | ✓ | | 16 | 125 | 923.8 | ✓ | | 17 | 125 | 924.0 | ✓ | | 18 | 125 | 924.2 | ✓ | | 19 | 125 | 924.4 | ✓ | | 20 | 125 | 924.6 | ✓ | | 21 | 125 | 924.8 | ✓ | | 22 | 125 | 925.0 | ✓ | | 23 | 125 | 925.2 | ✓ | | 24 | 125 | 925.4 | ✓ | | 25 | 125 | 925.6 | ✓ | | 26 | 125 | 925.8 | ✓ | | 27 | 125 | 926.0 | ✓ | | 28 | 125 | 926.2 | ✓ | | 29 | 125 | 926.4 | ✓ | | 30 | 125 | 926.6 | ✓ | | 31 | 125 | 926.8 | ✓ | | 32 | 125 | 927.0 | ✓ | | 33 | 125 | 927.2 | ✓ | | 34 | 125 | 927.4 | ✓ | | 35 | 125 | 927.6 | ✓ | | 36 | 125 | 927.8 | ✓ | | 37 | 125 | 928.0 | ✓ | **表14 BW250kHzの場合の周波数チャンネル一覧** | CH番号 | 帯域幅[kHz] | 中心周波数[MHz] | 技適認証対応 22S | |---|---|---|---| | 0 | 250 | 920.7 | ✓ | | 1 | 250 | 920.9 | ✓ | | 2 | 250 | 921.1 | ✓ | | 3 | 250 | 921.3 | ✓ | | 4 | 250 | 921.5 | ✓ | | 5 | 250 | 921.7 | ✓ | | 6 | 250 | 921.9 | ✓ | | 7 | 250 | 922.1 | ✓ | | 8 | 250 | 922.3 | ✓ | | 9 | 250 | 922.5 | ✓ | | 10 | 250 | 922.7 | ✓ | | 11 | 250 | 922.9 | ✓ | | 12 | 250 | 923.1 | ✓ | | 13 | 250 | 923.3 | ✓ | | 14 | 250 | 923.5 | ✓ | | 15 | 250 | 923.7 | ✓ | | 16 | 250 | 923.9 | ✓ | | 17 | 250 | 924.1 | ✓ | | 18 | 250 | 924.3 | ✓ | | 19 | 250 | 924.5 | ✓ | | 20 | 250 | 924.7 | ✓ | | 21 | 250 | 924.9 | ✓ | | 22 | 250 | 925.1 | ✓ | | 23 | 250 | 925.3 | ✓ | | 24 | 250 | 925.5 | ✓ | | 25 | 250 | 925.7 | ✓ | | 26 | 250 | 925.9 | ✓ | | 27 | 250 | 926.1 | ✓ | | 28 | 250 | 926.3 | ✓ | | 29 | 250 | 926.5 | ✓ | | 30 | 250 | 926.7 | ✓ | | 31 | 250 | 926.9 | ✓ | | 32 | 250 | 927.1 | ✓ | | 33 | 250 | 927.3 | ✓ | | 34 | 250 | 927.5 | ✓ | | 35 | 250 | 927.7 | ✓ | | 36 | 250 | 927.9 | ✓ | ※帯域幅が250kHzのため、両サイドの1CHと帯域を共有しています。 **表15 BW500kHzの場合の周波数チャンネル一覧** | CH番号 | 帯域幅[kHz] | 中心周波数[MHz] | 技適認証対応 22S | |---|---|---|---| | 0 | 500 | 920.8 | ✓ | | 1 | 500 | 921.0 | ✓ | | 2 | 500 | 921.2 | ✓ | | 3 | 500 | 921.4 | ✓ | | 4 | 500 | 921.6 | ✓ | | 5 | 500 | 921.8 | ✓ | | 6 | 500 | 922.0 | ✓ | | 7 | 500 | 922.2 | ✓ | | 8 | 500 | 922.4 | ✓ | | 9 | 500 | 922.6 | ✓ | | 10 | 500 | 922.8 | ✓ | | 11 | 500 | 923.0 | ✓ | | 12 | 500 | 923.2 | ✓ | | 13 | 500 | 923.4 | ✓ | | 14 | 500 | 923.6 | ✓ | | 15 | 500 | 923.8 | ✓ | | 16 | 500 | 924.0 | ✓ | | 17 | 500 | 924.2 | ✓ | | 18 | 500 | 924.4 | ✓ | | 19 | 500 | 924.6 | ✓ | | 20 | 500 | 924.8 | ✓ | | 21 | 500 | 925.0 | ✓ | | 22 | 500 | 925.2 | ✓ | | 23 | 500 | 925.4 | ✓ | | 24 | 500 | 925.6 | ✓ | | 25 | 500 | 925.8 | ✓ | | 26 | 500 | 926.0 | ✓ | | 27 | 500 | 926.2 | ✓ | | 28 | 500 | 926.4 | ✓ | | 29 | 500 | 926.6 | ✓ | | 30 | 500 | 926.8 | ✓ | | 31 | 500 | 927.0 | | | 32 | 500 | 927.2 | | | 33 | 500 | 927.4 | | | 34 | 500 | 927.6 | | | 35 | 500 | 927.8 | | ※帯域幅が500kHzのため、両サイドの2CHと帯域を共有しています。本モジュールのスプリアス特性により、帯域幅500kHzの場合は設定できる周波数チャンネルは926.8MHzまでとなります。 --- ## 10 コマンドフォーマット Config/DeepSleepモードにて、本セクションで説明するコマンドにより、モジュールのレジスタ設定値の読み出しおよび書き込みを行うことができます。 ### 10.1 コマンド一覧 Config/DeepSleepモード(mode 3)において、レジスタの設定値を読み出しおよび、書き込みを行うことができます。 **レジスタ読み出しコマンド** | | command | Starting address | length | parameter | |---|---|---|---|---| | TXD | 0xC1 | <レジスタ番号> | <読み出し数> | | | RXD | 0xC1 | <レジスタ番号> | <読み出し数> | <レジスタ値> | **レジスタ書き込みコマンド** | | command | Starting address | length | parameter | |---|---|---|---|---| | TXD | 0xC0 | <レジスタ番号> | <書き込み数> | <レジスタ値> | | RXD | 0xC1 | <レジスタ番号> | <読み出し数> | <レジスタ値> | ### 10.2 コマンド操作手順 **レジスタ読み出しコマンド**:Config/DeepSleepモード(mode 3)において、本モジュールのレジスタ設定値を読み出す際は、「読み出しコマンド0xC1」、「読み出し開始アドレス」、「読み出し数」の順番でバイト列を入力します。本モジュールからMCUへのレジスタ読み出しレスポンスのバイト列は、「読み出しコマンド0xC1」、「読み出し開始アドレス」、「読み出し数」、「レジスタ値」の順番でバイト列が出力されます。 **レジスタ書き込みコマンド**:Config/DeepSleepモード(mode 3)において、本モジュールのレジスタへ設定値を書き込む際は、「書き込みコマンド0xC0」、「書き込み開始アドレス」、「書き込み数」、「レジスタ値」の順番でバイト列を入力します。本モジュールからMCUへのレジスタ書き込みレスポンスのバイト列は、「読み出しコマンド0xC1」、「読み出し開始アドレス」、「読み出し数」、「レジスタ値」の順番でバイト列が出力されます。 **本モジュールからMCUへのコマンドエラーレスポンス(UART出力)**:コマンドの書式が間違っている場合、もしくは、無効なレジスタを読み出したとき等は、エラーレスポンスとして、バイト列[0xFF, 0xFF, 0xFF]が返ります。 --- ## 11 連続波の送信テスト機能(通常は使用しない) 本モジュールには連続波の送信テスト機能を試験用に搭載しています。**電波送信の試験モードとして観測機器に接続して検査を行う場合や、電波暗室などにおいてアンテナ放射の試験をする場合を除いて、通常は使用しないでください。使用方法によっては、電波法に抵触する場合があります。** 連続波の送信テスト機能はConfig/DeepSleepモード(mode 3)において、実行することができます。連続波送信開始コマンドを送ることで、0x04レジスタで設定した周波数チャンネルから0x03レジスタで設定した送信出力での連続送信が開始します。また、連続波送信停止コマンドを送ることで連続送信が停止します。本機能で送信する連続波は、LoRa変調されたテスト信号をバースト波(約27ms)として送出し、短い停波時間(250μs)を空けて繰り返します。 **連続波送信開始コマンド** | | command | |---|---| | TXD | 0xCA, 0xCA, 0x01 | | RXD | レスポンスはありません | **連続波送信停止コマンド** | | command | |---|---| | TXD | 0xE1, 0xE1, 0xE1 | | RXD | レスポンスはありません | --- ## 12 ハードウェアデザイン 本モジュールを最適な設計にてアプリケーションへ組み込むために、ハードウェア設計上必要な各要素について説明します。基本的な回路構成図、および、特に注意する点などについて示します。 ### 12.1 基本的な回路設計 E220-900T22S(JP)は、LoRaモデム制御用の低消費電力制御マイクロプロセッサを内蔵しており、外部に接続されたマイコン(MCU)やシングルボードコンピュータ(SBC)などと、UARTシリアル信号線、および、いくつかのモジュール制御・シグナル用の信号ラインを使用して利用します。 最も基本的な回路構成では、E220-900T22S(JP)と、マイコンを接続しますが、最小配線は電源とGNDを除くと、UART(TXD、RXD)、および、M0、M1のみです。M0、M1ピンは、WORを使用しない場合、1つのI/Oピンによって同一に指定可能です。AUXピン(出力)を使用しない場合は、結線は行わず、フローティング状態にしてください。(もし、AUXピンを固定したい場合は、抵抗を用いて、3.3Vか、電源電圧の低い電圧レベルにプルアップしてください)。VCC電源ピンの近くには、一般的なICチップ同様に、100nF程度のパスコンを配置することを推奨します。アンテナは、モジュール上のIPX/u.FL(MHF3)端子を使用せず、外部にSMAなどの端子を延長して使用する場合、もしくは、チップアンテナなどを使用する場合はANTとAGNDを配線します。ANT端子を使用しない場合は必ず、開放(フローティング)してください。 WOR機能を使用する場合は、AUXピンの結線を必要とします。AUXピンは、マイコンの入力ポートに接続しますが、配線上のノイズ対策などのため、小容量(10n~100nF程度以下)のキャパシタを入れることで、より安定した動作を期待できます。WORを使用する場合、モード切り替えのため、M0、M1ピンは独立に制御できる必要があります。 M0、M1ピンを、DIPスイッチなどによって手動操作をさせることによって、より簡素ハードウェアを実装することが可能です。その場合、実質UART、AUXピンのみで全機能を使用することが可能です。このように手動でモード制御するケースでは、設定レジスタが不揮発メモリであることを利用し、コンフィグレーションを予め行っておき、ユーザが使用する際には、これらのスイッチ操作を使わずに使用するように構成されたアプリケーションである場合が多いかも知れません。 マイコンと、本モジュールの信号レベルに差がある場合は、必ず必要な方向の信号レベルの調整をするためのレベルシフタ回路を挟むようにしてください。RXD, TXDの部分に、N-ch MOSFETを使用した双方向レベルシフタを、AUXには、バイポーラトランジスタによる単方向のそれを配置する例があります。M0、M1信号は、ダイオードとプルアップ抵抗で構成できます。各方向と、信号速度に追随できるものであれば、レベルシフトの種類は問いません。 外部のマイコンなどと、本モジュールが結線された状態においては、電源給電、電源断のタイミングが同一であることを期待しています。信号線がつながった状態で節電制御などを行う際に、モジュールや外部マイコンがその影響を受ける場合には、電流の信号線からの回り込みを防ぐために12.3節で示すような、信号絶縁回路を挿入する必要があります。また、信号線を経由した電源の回り込みは、回路図などからは一見して発見のしにくい問題でもあります。信号のダンピング以外に、過電流防止のためにも、各信号線に数十から百Ω程度のダンピング抵抗を挿入することも選択肢として検討してください。 典型的、かつ、汎用的なアプリケーションの例としてUSB信号と、本モジュールの接続例(Silicon Labs社製CP2102Nなど)があります。VBUS 5Vの取り扱いに注意すれば、信号ラインを3.3Vに統一することは容易です。 そのほか、一般的なMCUと接続する場合の配慮事項: - モジュールとMCU間を、UART(TXD, RXDをクロス接続)、M1、M0をMCUの出力ピン、AUXをMCUのピン状態変化の割り込みに対応した入力ピンに接続してください。 - UARTインタフェースのLoRaモジュールはTTLレベルです。TTLレベルのMCUポートに接続してください。 - 一部のMCUは5V DCで動作するため、5V入力トレラントに動作させる場合は、TXDおよびAUXピンに4.7k〜10KΩのプルアップ抵抗を追加する必要がある場合があります。(モジュールへの入力、RXD、M1、M0への5Vなどの定格以上の電圧印加は禁止です) ### 12.2 無線回路への影響 本モジュールのプリント基板などへの配置は、一般的な高周波無線部品の取り扱いに準じて取り扱うことが可能です。高周波クロックで動作するデジタルロジックがモジュール内に内蔵されており、また、それと接続するMCUなどのデジタルロジックからの影響が、設計したプリント基板から回り込まないように配慮してください。 本モジュールは、デジタル信号が集中した4〜11ピン側と、RF高周波回路が実装されている1〜3、20〜22部分に分けてプリント基板パターンに配慮することが理想的です。デジタル信号部分、および周辺をデジタルグランド(DGND、もしくは、GND)として配置し、1〜3、20〜22部分を含むグランドパターンをアナロググランド(AGND)として取り扱ってください。DGND(GND)とAGND間は、最小の結線で繋ぎます。デジタルノイズの影響を低減し、RF高周波への影響を小さくします。 プリント基板は2層以上のものを使用し、グランドパターン部は、本モジュールで隠れる部分などのベタグランドは、ビアを十分に配置するなどして、インピーダンスを下げてグランド電位を安定させることを推奨します。 また、RF信号を取り出すアンテナ端子付近については、GNDパターンを抜くか、引き出したアンテナラインとAGNDパターンをコプレーナ線路にて特性インピーダンス50Ωにマッチングさせてください。極めて短い配線の場合でかつアンテナが50Ωに整合済みの完成キットアンテナを接続する場合においては、ランドパターン幅程度の配線にしてマッチングに関する特段の配慮を省略してもかまいません。コプレーナ線路のグランド部分は、ビアを配置してください。 アンテナ線をANT端子から、約数センチ以上引き回す場合や、アンテナのマッチングネットワークの構成を必要とする場合は、プリント基板、配線パターン、マッチング素子、アンテナ素子において、アンテナメーカーが推奨する適切な方法でインピーダンス整合をとるようにしてください。 ### 12.3 省電力設計 本モジュールは、モジュール自体をDeepSleepモードに移行することによって、安全に、かつ、各ピンの電気的な活性状態を維持したまま、大幅に消費電流を削減することが可能です。VCC、もしくは、VDDへの通電状態においてDeepSleepモードである状態の場合は、各ピンの状態は、規定値に保持されるため、一般的な結線方法を採用している限りは特段の配慮は不要です。 DeepSleepモードの消費電流をさらに抑えるため、モジュールへの給電を断つ場合、給配電回路にロードスイッチや、ハイサイドFETスイッチ(通常はP-ch MOSFET)を設けることで電流をカットできます。ただし、この場合は、本モジュールの各I/Oピンと、外部の結線状態に注意を払ってください。電源が断たれた本モジュールの各I/Oピンは、給電がされていないCMOS ICの入出力ポートとなるため、それらとの結線先が活性状態の場合、本モジュールのI/Oピンを通して、電流が貫通する可能性が生じます。その結果、給電カットしたにもかかわらず、この漏れ電流によって、設計期待上の省電力効果が得られないばかりか、過電流によって、本モジュールなどを破損するリスクがあります。外部結線回路が活性状態で、**本モジュールの給電を遮断する場合は、各GPIOに、片方向、もしくは、双方向の遮断回路を挿入してください。**通常、単一MOSFET、反対向きに結合し、コモンドレイン配置したN-ch MOSFET、バススイッチICなどを使用することで実現可能です。 ### 12.4 アンテナ・筐体 本モジュールは、アンテナを内蔵していません。920MHz近辺の電波放射に適したアンテナを、電波法による工事設計認証において当社が登録しているアンテナを選択して利用することが可能です。 アンテナは、いくつかに分類可能ですが、完成アンテナのうち、外部露出アンテナとして使用可能な種類のアンテナについては、特段設計上の配慮は必要無く、同軸ケーブルによる僅かな損失のみで接合可能です。筐体などに貼り付けて使用することが可能な完成アンテナにおいては、アンテナ設計メーカーが指定する素材、貼り付け場所などにおいて、整合するように作られており、それに準じた使用方法で無ければ、共振周波数がずれ、本モジュールから出力される電力が最適に放射されず、通信距離が短くなる可能性があります。アンテナを筐体に貼り付けた状態において、実際の使用方法に近い形態で、アンテナインピーダンスの測定と、配置の調整などを実施することを推奨します。 マッチングネットワークの形成を要する、基板上に実装するアンテナなど、組み込みアンテナを使用する場合は、本モジュールの信号出力インピーダンスが50Ωであることを前提に、プリント基板の配線パターンを形成してください。これらアンテナとの整合については、当社本モジュールのサポート範囲を超えるため、アンテナメーカーのサポートを得るか、当社が別途提供するIoT設計コンサルティングサービスへお問い合わせください。 ### 12.5 UARTボーレート 本モジュールが使用するシリアル通信方式であるUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)は調歩同期式シリアル通信の一種であり、そのクロッキング精度は、送受信モジュールそれぞれのクロック精度やコントローラーの性能に依存します。また、UARTにはビット反転などの誤りを検出するパリティ機能はありますが、訂正する機能はありません。プリント基板上でUARTバスにノイズが乗った場合なども含めて、送受信データの信頼性を確保する手段を要する場合は、別途、アプリケーションやその他の実装上での対応を必要とします。 より簡単に問題を回避する方法は、UARTのボーレートを下げることで、低クロックの省電力マイコンなどでも、無理なく安定したUART通信を行えます。通常、9600bps(本モジュールのデフォルト)を使用することで多くの場合、安定して使用することが可能です。 本モジュールにおいて、Config/DeepSleepモードで使用するUART設定パラメータは固定されており、9600bpsに限ります。 ### 12.6 バッテリーの使用 本モジュールは、幅広い電源要件に対応しており、また、高い省電力性から、小型のCR系のコイン電池、乾電池、リチウム系一次電池、リチウムイオン・リチウムポリマーなど3.7V電源、USB VBUSやDC5V電源など低圧系電源を広くサポートします。 **表 モジュールのVCCまたはVDDへ直結できる電池・電源の例** | 電池・電源 | 公称電圧 | 最高電圧 | 説明 | |---|---|---|---| | Ni-MH電池 2本直列 | 2.4V | 2.8V | ニッケル水素充電電池 | | CR系コイン電池 | 3.0V | 3.2V | CR2302以上を推奨 | | リチウム系電池3V | 3.0V | 3.2V | CR123A, CR2など | | 乾電池 2本直列 | 3.0V | 3.3V | マンガン・アルカリ | | LiFePO4 1cell | 3.2V | 3.8V | リン酸鉄リチウム電池 | | LiB/LiPO 3.7V | 3.7V | 4.3V | リチウムイオン/ポリマー | | Ni-MH電池 3本直列 | 3.6V | 4.2V | ニッケル水素充電電池 | | 乾電池 3本直列 | 4.5V | 4.95V | マンガン・アルカリ | | USB VBUS | 5.0V | 5.3V | | | ACアダプタ5V出力 | 5.0V | 5.3V | | **表 降圧によって使用できる電池・電源の例** | 電池・電源 | 公称電圧 | 最高電圧 | 説明 | |---|---|---|---| | リチウム系電池6V | 6.0V | 6.4V | 2CR5, CR-P2など | | Ni-MH電池 4本直列 | 4.8V | 5.6V | ニッケル水素充電電池 | | 乾電池 4本直列 | 6.0V | 6.5V | マンガン・アルカリ | | ACアダプタ5.5V超出力 | 5.5V〜 | 6V〜 | | | 12V車ソケット | 12V | 15V | | | 12V鉛蓄電池 | 12V | 13.5 | Lead Acid | | 12V系LiFePO4 | 12.8V | 14V | リン酸鉄リチウム | | 24V車ソケット | 24V | 28V | | **表 昇圧によって使用できる電池の例** | 電池・電源 | 公称電圧 | 最高電圧 | 説明 | |---|---|---|---| | CR系 | 3V | 3.2V | CR2302以上を推奨 | | Ni-MH電池 | 1.2V | 1.4V | | | 乾電池 | 1.5V | 1.65V | マンガン・アルカリ | 継続的に50mA以上を安定して引き出せる電池を選択する必要があります。また、電流消耗による内部抵抗の上昇により、使用できる電流量の限界がこの電流によって決まるため、電池の選択には注意してください。 充電時などにおけるチャージ電圧を含め、(公称電圧ではなく)最高電圧が5.5Vを超えないことが保証できる電池・電源については、VCC端子に直結できます。MLCC 0.1uF程度のバイパスコンデンサをVCC端子近くに設置して、これらの電源を直接給電することで、電圧レギュレータやDC-DC電源の損失無く、高い効率でモジュールを駆動できます。また、下限電圧については、3.1V程度、もしくは、RF放射電力が低下することを許容できる場合は、2.2V程度まで使用することができ、電源電圧が、この下限電圧において、動作負荷時に50mA程度の出力電流を得られる場合、使用可能です。 電圧が、一瞬でも本モジュール内のUVLO電圧を下回った場合、モジュールはリセットを発生させます。また、再通電時に電圧が安定しない場合、モジュールは起動しません。 電源を降圧させて使用することは可能です。5.5Vを超える可能性がある給電を行う場合は、必ず、安全な方法で、所定の定格電圧、動作電圧の範囲内になるように降圧回路構成してください。 乾電池一本などから、電源昇圧回路によって、VDDやVCC端子へ給電可能な電源を作り出すことも可能です。一般的に、降圧回路に比べてDC-DC変換効率は劣化しますが、機器の小型化のための方法として有力です。MCUを直給電での低圧動作可能なものを使用し、本モジュールへの給電は、LoRa通信が必要な時に限って、昇圧給電させることで、電池寿命を飛躍的に延ばすことも可能です。 3.7V リチウムイオン電池を使用した、省電力小型マイコン(3.3V)の効果的な回路設計例として、VCC端子に、リチウムイオン電池を直結し、VDD端子を3.3V電源として使用し、数〜50mA程度以下の3.3V電源として、信号レベルの基準電圧源として使用する構成があります。 VDD、VCC端子ともに3.3Vを下回る電源を給電する場合は、M0、M1、RXDの入力信号レベルを含め、信号電圧レベルを合わせてください。1.2Vや1.8Vなど本モジュールの動作下限電圧よりも低い、低電圧マイコンを接続する場合など、給電電圧と信号レベルの調整(端子信号の向きによって、それぞれ単方向、もしくは、双方向のレベルシフタの挿入)を必ず行ってください。 給電遮断時の信号線の絶縁対策について:モジュールへの給電のみを遮断して接続されている周辺回路は電源が給電されている場合、各信号ラインへの絶縁を必要とします。絶縁をしない場合でも、一見正常に動作しますが、漏れ電流が本モジュールの信号ラインから、GNDピンへ貫通し、無駄な電流が消費されます。信号絶縁用ICや、小信号用N-ch MOSFETを組み合わせた方法によって絶縁が可能です。 --- ## 13 よくある質問(FAQ) ### 13.1 通信互換性 E220-900T22S(JP) ver.1.0、ver.1.5、および、同22L(JP) ver.2.0は、相互に通信がおこなえます。このシリーズは、LoRa変調にかけるビットパターンや通信暗号手順を同一にしており、電力や電波法などの規定に関する部分についてのみ違いがあります。また、ファームウェアver.1.x(ver.1.0、ver.1.5)、ver.2.0間の通信互換性においても、LoRa変調波は完全に同一のものであり、相互に通信可能です。 ### 13.2 通信可能距離 E220-900T22S(JP)は、最大で20mW(特定小電力、微弱な電波)でありながら、LoRa変調による効果で、見通しがよければ、10km以上離れた地点においても受信可能な場合もあります。ただし、設置環境(高さ・周辺の電波状況・見通し)や電波状況等によって大きく変動します。また、アンテナの種類、設置状態も影響します。 実用的な目安としては、ビル・マンションなどの区画範囲、学校や工場の敷地内、山頂から見渡せる範囲などは、一部の金属構造物の内側などでない場合は、13dBm(20mW)の出力設定で届く場合が多いですが、アンテナの設置場所の工夫は必要とします。アンテナは周囲が開放された見通しの良い場所に設置することが好ましく、屋上やバルコニーなどに設置されることで良い電波到達性能を期待できます。 周囲にコンクリートなどの建造物が多い市街地などでは、数百メートルから1km程度以下になる場合もあり、郊外では3km程度、田園地帯などでは5〜10km程度通信可能な場合もあります。また、山頂や鉄塔に送受信ともにアンテナを設置した場合は、70〜100km近くの距離で通信が可能であった事例もあります。 連続パケット送信、もしくは、間欠でのパケット到達性の安定度は、通常100%(パケット損失0)を前提としてシステムを設計することはできません。本通信モジュールには、国内電波法遵守のための、キャリアセンスによる電波監視で決められた送信遅延や停止、また、混信などの影響を含めた、空間の状況によってパケット到達確率は100%から低下します。 一般的な環境下においては、送受信モジュールの設置場所を固定していても、受信時に観測されるRSSI値は変動します。この変動要素には、周囲のノイズ、送信機や受信機のアンプの増幅レベルの誤差(送信においては最大1dBm程度、平均0.5dBm程度)を含み、電波伝搬経路の僅かな変化によっても影響を受けます。経験による定量的な目安は、-110dBm〜-120dBm程度以上のRSSI値であるとき、比較的パケット損失は低く、RSSI値においても安定します。一方で、-130dBm以下、最小では-145dBm程度くらいになるケースでは、パケット到達率は不安定になりやすい傾向にあります。 本LoRaモジュールの理論的、理想的、一般的な環境での通信距離における評価値は、「奥村–秦カーブ(奥村–秦モデル)」と呼ばれるマイクロ波・移動無線における経験則モデルが有名で、参考値として使用できます。この受信電力dBm値が、およそ-140dBm付近が本LoRa通信モジュールの受信感度限界といえます。 ### 13.3 電波の出力損失の回避 電波出力が悪化するパターンをいくつか例示します。これらに該当する場合は、適切な対策を実施することで出力を改善できます。 - 大地(地面)は電波を吸収・反射するため、地面付近にアンテナを設置することは避け、アンテナを高く上げることを推奨します。また、湖面や海水など、大量の水がある区域で、アンテナを水面に近づけて使用すると出力が大きく減衰します。水面から離しての使用を推奨します。 - アンテナの近くに金属製の物体がある場合、もしくは、金属製のシェルの中にアンテナが置かれている場合、信号の減衰は非常に深刻になります。 - 本モジュールに供給される電源の安定性が低い場合、電源の出力インピーダンスが高い場合などは、電源設計を見直してください。本モジュールは、送信時に瞬間的に電流を要します。 - 本モジュールとアンテナの整合度が悪い場合や、アンテナ自体の品質に問題があると、通信に影響します。 ### 13.4 デバイスの接続台数(同時使用台数) 本モジュールの同時使用台数は、予め決められた数の制限はありません。このPrivate LoRaのパケット通信方式は、ステートレスで、コネクションや対抗の通信モジュールの情報を管理・保持することはなく、本モジュールの仕様や動作要件が使用数を制限することはありません。実際のアプリケーションでの同時使用を想定した場合、電波の到達エリア内での通信頻度と通信時間(Air Time)によって、同一空間状の電波の混雑度が決まります。 本モジュールに搭載されるキャリアセンス機能(電波法によって搭載が義務付けられている機能)による衝突回避や、アプリケーションによってデバイス毎に送信タイミングなどをずらす工夫を実装することで、計画的に混信を回避することも可能です。 LoRaモジュールの受信個体を区別するためのデバイスIDは16bitであり、65,535台(0x0000〜0xFFFE)を1つの受信待ち受けチャンネルで区別可能です。ペイロードにIDビットを拡張すればさらに多くのデバイスを区別することは容易です。送達確認符号返答(ACK)などの実施の有無によっても変わり、万単位のデバイスを同一電波到達エリア内で使用することも可能です。 ### 13.5 モジュールの使用環境 - 給電のための電源を確認して、定格電源電圧内にあることを確認してください。定格電圧を超えると、本モジュールは恒久的に損傷する可能性があります。 - 設置および使用中は、必ず静電気防止対策を行ってください。 - 設置および使用中は、高湿度を避けてください。 - 特別な要件がない場合は、高温または極低温環境下での連続使用は推奨しません。 - 零下・低温時の動作についても、電波放射が正常に行われることを確認していますが、使用するバッテリーなどは、一般に零下以下の極低温域で安定した出力を得られるものは限定されます。 ### 13.6 BER(ビットエラーレート) 本モジュールは、電気的な影響によって、ビットエラーが介入、混入する可能性があります。LoRa変調後の無線の送受信においては、LoRaデジタル変調におけるBER訂正・補完機能が働き、ビットエラーの発生確率は極めて低いため、通常の使用においてはそれを考慮する必要はありませんが、本モジュール、および、それが実装されているプリント基板上で発生するノイズやMCUのクロック精度などによってUART信号にエラーが混入することは希に生じます。 - M0、M1のチャタリングや、安定性担保のため、M1、M0操作(変化)後の状態遷移に約1msの遅延を設けています。 - AUXピンのチャタリング防止のため、外挿キャパシタなどによって信号を安定させることを推奨します。 - 近くに同周波数信号干渉がある場合は、BERが高くなります。 - 電源能力が不十分な場合、伝送データが文字化けする可能性があります。 - 信号や電源の延長ケーブルやフィーダーの品質が不十分または長すぎると、ビットエラー率が高くなる可能性があります。 ### 13.7 送達確認符号返答(ACK) 本モジュールは、モジュール機能内に送達確認符号返答(ACK)を自動的に実施する機能は実装されておりません。本モジュールは、無線チャンネル、帯域の組み合わせを送信と受信で任意の設定が行えるように配慮したPrivate LoRaの手順・方式を採用しています。受信待ち受けチャンネルと、送信チャンネルを、同一システム内で個々のモジュールに別々のものを適用し、送信パケット内でACKなどに返信先となるチャンネルや返信先デバイスIDをペイロードで渡すことによって、送信パケットとACKパケットを別のチャンネルを使用することができます。これによって、ACK返信中に他の送信電波の混信や遅延を回避することを実現できます。 ### 13.8 連続パケット送出時のAirDataRate 本モジュールは、電波法、ならびに、ARIB STD-T108の通信制約に従って電波放射の制約をモジュール内の動作として課しており、連続パケット送信に制約が生じます。 本モジュールの送信ビットレートは、LoRa変調パラメータ、ペイロードに搭載するサイズによって異なるものの、計算上の瞬間レートは1.7kbps~62.5kbpsです。ただし、電波法で定められた、電波休止時間を守るなどの対応のため、実際の利用においては、連続送信時は最大でこの半分程度になります。 - **最高AirDataRate設定時の連続送信スループット**:SF:5、BW:500kHzのとき。キャリアセンス時間(最小5ms) + 電波送信時間(ペイロード200byteで50.512ms) + 送信休止時間(50ms) = 105.512msとなり、実効スループットは(200 * 8) / (105.512 / 1000) ≒ 15.2kbpsとなります。 - **到達距離最大でのAirDataRate設定時の連続送信スループット**:SF:9、BW:125kHzのとき。キャリアセンス時間(最小5ms) + 電波送信時間(ペイロード200byteで1,381.376ms) + 送信休止時間(50ms) = 1,437.376msとなり、実効スループットは(200 * 8) / (1,437.376 / 1000) ≒ 1.1kbpsとなります。 ### 13.9 パケット到達のリアルタイム性 本モジュールで使用しているPrivate LoRa通信の手順は、ビットレートが低速である以外においては、ほぼリアルタイムに無線伝送は可能です。ただし、確認応答(ACK)などを組み込む場合は、それとのトレードオフによってリアルタイム性は損なわれます。弊社調査結果では、到達範囲内における定点間通信において、一般的なLoRaパケット到達率は70%〜99%程度です。安定していると思われる場合でも、30%程度のパケット損失が発生しうる場合があると考えて全体を設計することが必要です。 ### 13.10 他の920MHz通信機器との電波干渉 本モジュールの送出する電波は、他の920MHz無線(FSK通信方式など)と干渉します。ただし、国内では、この帯域に多数のチャンネルが割り当てられており、実用的な範囲と使用方法では、それほど干渉ジャミングによる通信遮断の頻度は大きくはありません。また、正しく無線出力が設計されたWi-Fi(2.4GHz, 5GHz, 6GHzなど)、Bluetooth(2.4GHz)、Zigbee(2.4GHz)、電子レンジなど、他家庭やオフィスで使用される無線機器などとは干渉しません。工場や無線計測機器などで920MHzを使用している場合は、チャンネル選択に配慮すれば干渉を防ぐまたは低減することが可能です。 ### 13.11 モジュール制御ロジックの改良の禁止 本モジュールは、モジュール内部に省電力小型コントローラーを搭載することで、国内電波法、ARIB STD-108等の規定・規約に従った振る舞いを保証しています。設計者や使用者によってこれらの書き換え、改造などはできません。また、書き換えて使用された場合は、電波法に抵触する可能性があります。当社が提供する書き換え可能なファームウェア以外の使用におけるサポートは提供されませんのでご注意ください。 ### 13.12 RSSI値による送信電力制御 本モジュールは、受信時における電波受信強度を示すRSSI値を取得する機能が搭載されています。RSSI値を確認することで、おおよその、送信デバイスとの電波伝搬特性上の距離などを把握することに使用できます。この値は、アンテナ利得などによっても影響を受けますが、同一の2つのデバイス間での電波伝搬特性は対称性をもつといわれているため、返信出力電力を受信時のRSSI値から逆算して低減させて電力の削減や電波使用効率を高めることも可能です。 ### 13.13 LoRaを使用した中継通信 単一LoRaモジュールでの送信パケットが受信側に直接届けられない長距離や、電波伝搬特性が悪い環境で使用する場合、LoRaパケットを中継するリレー機能を設計者が実装することで、中継によるマルチホップ伝送による到達性確保が実現できる可能性があります。本モジュールは、電波の送出中は受信処理が行えません。送信と受信を同時に実施したい場合は、本モジュールを2個以上組み込むことを設計レベルで検討してください。パケットが中継されることによって、2台以上の機器が同時に電波を発射するタイミングが重なりやすくなります。中継する場合の電波発射のタイミングの送信タイミングの重複を避けることを動作設計に組み込むことを強く推奨します。 ### 13.14 技術適合認証・電波法 本データシートで説明しているE220-900T22S(JP)は、工事設計認証(技術適合認証の量産設計認証)を取得しており、本モジュールと認証済みの指定アンテナとともに、そのままの形でモジュール本体の改良をせずに、本データシートに示す公開された手順に従った使用方法を遵守する限りにおいては、改めて技術適合認証や、工事設計認証を設計者が取得する必要はありません。本モジュールの仕様は、将来改変される電波法令に抵触することが無い限りにおいて、設計者、および、使用者は認証や免許を取得せずに日本国領土・領海内(移動体搭載を含む)において使用可能です。 設計者によって、独自に設計した送信用アンテナを使用したい場合や、本モジュールを分解した場合、定格外の電源や使用法を行う場合などについては、改めて技術適合認証をその要件で取得する必要があります。 ### 13.15 日本国外での使用について E220-900T22S(JP)の電波法における認証番号と認証内容は、日本国内でのみ有効です。サブギガヘルツ帯のISMバンドは国によって異なり、諸外国においては、400MHz、700MHz〜900MHz帯に分布しており周波数帯そのものが異なっています。本モジュールでのRF設計周波数帯は、850~930MHzの国際的なISMバンドの範囲に対応しており、米国、EU諸国などを含みますが、日本国内において、一般の販売チャネルにて提供するE220-900T22S(JP)型番製品の対応は、中心周波数920.6〜928.0MHzの本データシート記載の範囲です。 --- ## 14 推奨アンテナ ### 14.1 E220-900T22S(JP) 13dBm特定小電力無線局の使用可能アンテナ 特定小電力無線機器は、工事設計認証または技術基準技適証明を取得した際に指定したアンテナ以外はご使用頂けませんので、当社ご案内する適合したアンテナをお求めください。ただし、受信機および受信専用での利用については高利得の鋭い指向性アンテナなども利用可能です。 使用可能なアンテナの規格は、アンテナの特性データによって制限されます。E220-900T22S(JP)においては、13dBm(20mW)を最大電力として設計しており、国内の認証機関において、その確認が行われています。本920MHz特定小電力無線においては、EIRP(Equivalent Isotropic Radiation Power: 等価等方放射電力)は、16dBmを超えない範囲と定められており、モジュール送信電力と、アンテナ利得の積算が、(dBで加算が)16dBmを超えることができませんので、使用するアンテナの利得は、3dBiを超えないよう法令によって制限されることになります。 ### 14.2 アンテナのVSWR値 通常、本モジュール向けの登録認証アンテナは、915MHz帯を含め、920MHz近辺のVSWRが最小となるように設計されているものですが、この周波数位置が移動することによって、VSWRが大きくなり、放射特性が悪化します。設置状態において、920MHz〜930MHz付近のVSWRが1.0に近いことが望まれます。一般にVSWR 2.0以下程度での使用が好ましく、3.0を超えると送信電力に対して伝送損失が大きくなります。 **表 VSWRおよび反射係数、リターンロス、伝送損失の対応** | VSWR | 1.0 | 1.5 | 2.0 | 3.0 | 10 | |---|---|---|---|---|---| | 反射係数 | 0 | 0.2 | 0.33 | 0.5 | 0.82 | | リターンロス(dB) | ∞ | 14.0 | 9.5 | 6.0 | 1.7 | | 伝送損失(dB) | 0 | 0.21 | 0.51 | 1.25 | 4.85 | ### 14.3 フレネルゾーン 電波の伝搬の効率性は、電波の伝搬空間におけるフレネルゾーンの確保によって決定されます。フレネルゾーンとは、送信アンテナと受信アンテナの位置関係(高さと距離など)によって決まる楕円空間状の電波伝搬に強い影響を与える空間であり、この空間の遮蔽物(大地や水面などを含む)の存在により電力のロスや反射が生じることで、伝送距離が縮まります。E220-900T22S(JP) LoRa通信モジュールは規格上の数値で受信感度-124dBmを持ちます。 **表 920MHzにおける通信距離に対する大地に対するフレネルゾーン** | 通信距離(km) | 1 | 2 | 5 | 10 | 20 | 50 | 100 | |---|---|---|---|---|---|---|---| | フレネル半径 理想アンテナ高(m) | 9.0 | 12.8 | 20.2 | 28.6 | 40.4 | 63.8 | 90.3 | | フレネル半径の60% アンテナ高(m) | 5.4 | 7.7 | 12.1 | 17.1 | 24.2 | 38.3 | 54.2 | フレネルゾーンとは、電波の行路長差による位相の変化がπ以内になる範囲のことであり、このフレネルゾーンを通過する波は互いに強め合って合成される性質があります。送信機と受信機を結ぶ直線上に何も障害物がなくても、この楕円形の範囲内に地面や水面などを含む障害物があると、反射などの影響によって位相変化が発生し、伝送距離に影響を与えます。フレネルゾーンの定義や、電波伝搬の原理から、アンテナを高い位置に設置することで、地表面から離し地表の遮蔽物の影響を小さくできます。 LoRa変調による通信においては、一般的な変調方式における同電力の出力よりも、伝搬時の受信レベルが30~40dB以上も低下しても受信できることが特徴ではありますが、距離による電波減衰の影響よりも、障害物による影響で受信レベルが下がることの方が通信到達性の点からは大きな問題となります。 ### 14.4 外部アンテナの設置方法 アンテナ素子部分がエンベローブ(通常は樹脂製の筒)に覆われた、完成外部アンテナは、その外装やコネクタの性質から、耐候性(防水や紫外線耐性など)、非耐候性のものがあります。外部アンテナは、通常ケースの外に露出して使用する設計のため、アンテナの外装樹脂が直接外気にさらされることを想定しています。アンテナ付近に金属が存在した場合、アンテナのVSWR(電圧定在波比)特性が劣化します。 ### 14.5 PCB基板・FPC基板の設置方法 ケース・筐体内に内蔵しやすい形状のアンテナとして、プリント基板(PCB)にパターンされたものや、薄いフレキシブル基板などがあります。一般に、多くのPCBやFPCアンテナは、樹脂性のケースにテープなどで固定されることで、設計した特性が得られるように作られています。周囲に金属が無い状態を理想としています。 一般には、920MHz帯通信用アンテナは、偏波面が垂直偏波となるように取り付けするのが良い場合がほとんどです。設置場所を変更することが難しく、920MHzに対してのマッチングが悪い場合、マッチング回路を追加することで整合させることが可能です。 ### 14.6 SMD実装基板 高度なアンテナ組み込み方法に、SMD(表面実装)型の、基板実装用アンテナがあり、本モジュールにおいても使用可能です。これらは、プリント基板上のパターンと、SMDアンテナ部品を組み合わせることで、放射する周波数帯での電波放射の最大化を実現するアンテナ機構を実現するものです。最も実装難易度が高く、正しい設計と実装を行うためには、高度な測定機器と、専門知識、プリント基板パターンの設計ツールなどを必要とします。 ### 14.7 アンテナサイズとVSWRの関係 アンテナのサイズは、原則として取り扱う波長や電力によって決まることがほとんどですが、本モジュールの電力は一般的なアンテナサイズ形状に対して十分小さいので、通常は電力を気にする必要はありません。波長に対するアンテナのサイズは、λ/2ダイポールアンテナで、通常は16〜17cm程度となります。VSWR最小のポイントを含めたVSWR<2.0の範囲(実用的に使用できるアンテナの帯域幅)は40MHz程度あります。一方で、アンテナサイズの小型化を図った小型アンテナにおいては、VSWRの谷部分の特性がより尖鋭になり、僅かなずれで、マッチングが極端に悪化してVSWRが劣化しやすくなる傾向があります。 --- ## 15 リフロー・ソルダリングガイド 本モジュールは、RoHS準拠部品はすべて、Sn-Pbはんだ実装プロセスと下位互換性があります。はんだ付け温度は、鉛フリーはんだを適切に溶融させるために230℃超でなければなりません。いずれのはんだ付け方法であっても、最適なリフロープロファイルは、はんだ材料、はんだ量、フラックス、はんだ付けされた各コンポーネントの限界温度、回路基板とコンポーネント材料の熱伝達特性、およびすべてのコンポーネントのレイアウトに依存します。回路基板上の最も脆弱なコンポーネントの時間限界と温度により、使用すべき実際の温度プロファイルが最終的に決まります。 **表 リフローソルダリング管理温度** | プロファイル項目 | Sn-Pb実装 | Pb-Free実装 | |---|---|---| | Solder Paste / はんだペースト材 | Sn63/Pb37 | Sn96.5/Ag3/Cu0.5 | | Preheat Temperature min / 最小予熱温度(Tsmin) | 100℃ | 150℃ | | Preheat temperature max / 最大予熱温度(Tsmax) | 150℃ | 200℃ | | Preheat Time (Tsmin to Tsmax) / 予熱時間(ts) | 60–120 sec | 60–120 sec | | Average ramp-up rate (Tsmax to Tp) / 平均上昇率 | 3℃/second max | 3℃/second max | | Liquidous Temperature (TL) / 融点 | 183℃ | 217℃ | | Time (tL) Maintained Above (TL) 融点での維持時間 | 60–90 sec | 30–90 sec | | Peak temperature / ピーク温度(Tp) | 220–235℃ | 230–250℃ | | Average ramp-down rate (Tp to Tsmax) / 平均冷却率 | 6℃/second max | 6℃/second max | | Time 25℃ to peak temperature / ピーク温度までの時間 | 6 minutes max | 8 minutes max | はんだ実装面のフットプリントは、推奨フットプリントのパターンを使用してください。また、GNDピンのベタグランドへの接続スポークなどの線幅などについては、本モジュールのGNDパッドが広いことを考慮して、リフローやはんだ実装時の安定した実装が行える程度に設計プリント基板のレイアウトによって設定することを推奨します。 --- ## 16 バルクオーダーパッケージ リール単位でのオーダー時は、機械実装用リールでの梱包単位で、真空に近い状態で製造時にパッキングして出荷されます。バルクオーダー時に限って、受注製造扱いにて、ファームウェアの指定製造が可能です。 リール梱包単位: 1,000pcs リール単位未満でのオーダーの場合は、原則として出荷時におけるファームウェアのバージョンの指定はできません。出荷品のファームウェアについては、販売チャネルにお問い合わせください。 --- ## 17 ファームウェアの書き換え 具体的なファームウェア書き換えの手順については、別途提供するファームウェア書き込み器、および、書込ソフトウェアの情報を参照の上、その手順に従って操作を完了させてください。 通常の書き込み用ハードウェアの使用においては、便宜上の理由もあり、ファームウェア書き換え時の給電には、VDD電源ピンを使用します。将来的なファームウェア書き換えなどに備える手段として、SWDATA, SWCLK, VDD、および、GNDを、回路動作上から切り離しできる状態で設計基板上に露出することを推奨します。特殊な治具によって、モジュールの端面スルーホール(スタンプホール)に直接接点金具を当てることも可能です。 --- ## 18 製品の問い合わせ・サポート **本製品の、営業・技術サポートに関するお問い合わせ** CLEALINK TECHNOLOGY CO., LTD. IoT製品取り扱い・サポート専用サイト「DRAGON TORCH」 - 製品情報サイト: https://dragon-torch.tech/ - 製品サポート: https://support.dragon-torch.tech/ 技術的なサポートについて、そのすべての対応を保証するものではありません。本ドキュメント記載の内容の範囲を大きく超える内容、もしくは、当社、関係各社の機密などに関する内容、科学的なエビデンスや論拠の乏しい偶発的な内容などについては、回答できない場合もあります。また、暗号処理を含む、当社等の技術的開示を秘匿としている内容などにつきましては、お問い合わせいただいた場合でも回答は控えさせていただきます。 **製品開発元**:https://clealink.jp/ 〒619-0237 京都府相楽郡精華町光台1-7 けいはんなプラザ ラボ棟7F 株式会社クレアリンクテクノロジー IoTコンポーネント担当 CLEALINK TECHNOLOGY CO., LTD. IoT components team Keihanna Plaza Labo-wing 7F, 1-7, Hikari-dai, Seika-cho, Souraku-gun, Kyoto, Japan, 6190237 --- ## 19 製品の製造について ### 19.1 品質・ISO認証 本製品は、Chengdu Ebyte Electronic Technology Co., LTD. (EBYTE社)、ISO認定工場にて製造されたものです。認証に関わる情報が必要な場合は、株式会社クレアリンクテクノロジーの営業問い合わせ先へお問い合わせください。本製品製造工場は、ISO9001をクリアした品質管理工程の下、製造されています。 ただし、本製品モジュール部以外の実装品や付属品、登録アンテナについては、メーカー各社の製造要件に従って製造されているため、当社において個別に回答することはできかねます。各アンテナメーカー様にご確認ください。 ### 19.2 RoHS認証 製品の製造プロセスは、Pbフリーの製造プロセスを使用しております。採用プロセス、生産ラインにおけるRoHS、RoHS 2.0 指令の準拠検査を行っています。アンテナやモジュール以外の評価基板や関連製品などにおいては、Pbフリーではないものも含まれる可能性があります。それぞれの製品の製造者へご確認ください。 ### 19.3 日本国外でのご利用に関して 本製品の日本国外での使用については、本文書の範囲の使用方法において、対応しておりません。海外での使用をご検討のお客様は、弊社、担当営業まで詳細をお問い合わせください。随時、海外における情報や製品アップデートの提供などをおこなっており、お客様に最適な最新情報を提供させていただきます。 --- ## 改訂履歴 - 2024年8月29日: Firmware ver.1.0 Rev 2.1 改訂初版 - 2024年9月10日: Rev 2.1.1 サブパケット長誤記を訂正、ブロードキャスト時のアドレス取得方法の誤記を訂正 - 2024年10月25日: Rev 1.0.2 コモンドレインバス絶縁回路説明の誤記を訂正 - 2025年3月28日: Rev 2.1.2 ver.1.5での変更点を追記 **重要事項** 株式会社クレアリンクテクノロジーは、このドキュメントのすべての内容の最終的な解釈および変更の権利を留保します。製品のハードウェアとソフトウェアは継続的に改善されているため、このドキュメントは予告なしに変更されることがあります。その場合、本ドキュメントの最新バージョン、および、リビジョンが優先されます。この製品を使用する設計者は、当社のWebサイト等を通じて、製品の動向に注意し、本製品の最新情報をタイムリーに取得してください。 **Important Notice** CLEALINK TECHNOLOGY CO., LTD. reserve the right of final interpretation and modification of all contents of this document. Since the product hardware and software are continually improved, this document may change without notice. In such cases, the latest version and revision of this document shall take precedence. Designers using this product should pay attention to product trends and obtain the latest information on this product in a timely manner through our website, etc.